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あれからしばらく、Aちゃんとのやりとりは続いて。
Aちゃんのこと、色々知ることができた。
滝沢女学園っていう超超超お嬢様学校に通ってて、お菓子作りが好きで。
猫を3匹飼っていて、でもAちゃんは猫アレルギーで。
やりとりを重ねれば重ねるほど、もっと知りたい、もっと知りたいという気持ちが止まらない。
初対面の時も色々話したけど、あれは単純なお金持ちの女の子への興味って感じの話題だった。
でも今は、Aちゃんの中身が知りたくて、それを俺の中に落とし込みたくて、なんて言うかわからないけど、とにかくAちゃんを近くに感じたかった。
言葉の送受信だけじゃ物足りない、そう感じた俺は勇気を振り絞って電話のお誘いをした。
でも、待てど待てど返信は来なくて。
…………………ダメか。
諦めて寝ようとした、その時。
A今からできる!
ベッドに寝っ転がってたのに、飛び起きた。
ベランダに走りながら、通話画面に切り替えて。
聞き慣れてる発信音も、やけに内臓を強く打つから体に響く。
そして、その発信音さえも消えた時。
『……………もしもし？』
「っ、もしもし、Aちゃん？」
『うん、Aだよ』
機械を通して聞く声。耳元で聞こえる声。
なんだかすごく緊張してきた。
耳に神経研ぎ澄ませてるから、Aちゃんが喋る度に心臓に悪い。
「今大丈夫だった？」
『うん、もうみんな寝てるから。バルコニー出てるし大丈夫』
「そっか。俺も今ベランダ出てんだ」
『そうなの？ねぇ、今日は星がよく見えるね？』
「あ、ほんとだ…」
『空見てなかったの？外にいたのに』
「下ばっか見てたよ」
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作者名：なぽりたん
| 作成日時：2023年3月16日 21時
