あなたが見る世界を知りたい (ページ23)

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それからしばらく慎太郎くんとのやりとりは続いた。

慎太郎くんのことも、色々知ることができた。

六石高校のダンス部で、お兄さんと2人の妹さんがいて。

秋田犬を飼ってて、サーフィンが好きで。

将来は教師になるのが夢なんだって。

サーフィンが好きなのは前から知ってたけどね。

生まれてからずっとここに住んでると言っていたのに、出会ったのが今更だなんて少し悔しい。

慎太郎くんは自分の話をするだけじゃなくて、私のこともいろいろ聞いてくれた。

私も心を許して、色々話しちゃった。

慎太郎くんはスマホを触っている時間が多いのか、私がメッセージを送ればすぐに返信がくる。

おかけで私もすぐに返信しなきゃって気持ちになって、なかなかスマホが手放せない。

結城「……最近、熱心にスマホを見てらっしゃいますね」

ベッドに寝転がりながらスマホを見る私に、紅茶を用意している結城がそう言った。

『甘いものが食べたい気分なの〜ねぇこれ見て、美味しそう』

とっさに画面を切り替えて、インスタで見つけたスイーツの投稿を結城に見せる。

結城「パティスリールイスのロールケーキですね。

お取り寄せ致しましょうか？」

『うん、お願い』

結城「かしこまりました」

LINEの画面、見られてないよね？

会話、自然だったよね？

『ロールケーキ届いたらさ、またみんなで集まって食べよ？』

結城「よろしいのですか？」

『もちろん、みんなと喋るの楽しいし』

結城「ありがとうございます。使用人一同喜びます」

慎太郎くんとも、一緒に美味しいご飯食べたりスイーツ食べたりしたいなぁ…………

初対面であんなに話し込んだんだから、もしそんなことできたら………

慎太郎こんど電話とかできない?今ヒマだったりする?

結城に怪しまれないようにそれからはしばらくスマホを手放していたから、そんなメッセージが来ていたことに気づくのは夜の寝る前になってしまった。

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