18 ページ19
.
ニカっと笑ってみせるシンタローくんだけど……
私にはそうは見えない。
『………あんまり元気じゃなさそう』
「…………あは、バレた？」
『やっぱりそうなの？』
「ん………まぁ、色々………」
『そっ、か………』
濁されたから、きっとあまり聞かない方がいいことなんだろう。
「…………」
『…………』
いけないことだって、分かってるから。
お互い、ちゃんと分かってるから。
喜ぶに喜べない再会。
「…………やっぱり俺、さ」
『…？』
「これで終わりは、…………いや、………」
私に話しかけてきたのに、視線は地面の方で。
「…………いや、いやいや………いや………
ダメだって……ダメだよ……こんな、……
約束したじゃん………俺なんか………」
なに、してるの？
目を固く瞑り、首を振って。
自問自答するシンタローくんをよそに、スマホのバイブを感じて手に取る。
松村からだった。
松村遅れてしまい申し訳ございません
ただいま到着致しました
『………ごめんなさいシンタローくん、私行かなきゃ』
「あ………あぁ、じゃあな」
それでも。
せっかくの再会を、チャンスを逃したくはない。
『スマホ出して』
「え？………はい、」
『ロック解除してLINE開いて。やってるよね？』
「うん…………ってまさかAちゃん、」
『いいから貸して』
従順なシンタローくんは私の言う通りにスマホを渡したけど、私が何をしようとしているのかやっと察したようで。
「ダメだってAちゃん」
『いいの、私がこうしたいの。…………はい、できた』
お互いに登録された、連絡先。
「バレたらまずいって」
『バレないようにするの』
「まじで大丈夫なの？」
『私にだって、これくらいの権利はある』
スマホは結城に監視されてないし、通知切っておけばリスクもないでしょ。
シンタローくんとこれで終わりだなんて、絶対に嫌だから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 889人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぽりたん
| 作成日時：2023年3月16日 21時
