熱愛宣言アイドル 2【桃】 (ページ38)

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夕日に染まる君ページ38

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人のいない海。

水平線の向こうに見える、オレンジ色の半円。

そして、浅瀬で足を水につけて遊んでるA。

大変な日々で疲れてるんやないかなー思て、連れ出したんや。

『…望も来て、』

手招きしたAに誘われて、嬉しくなった俺は

「よっしゃあ～！！」

お調子者キャラ解禁。

ダッシュで海へ入って行った。

『ちょっ水かかる！』

「ほい！」

『ねえっ！嫌だ！(笑)』

「ははっ！…………うおおおい！」

『ふふっ、仕返し！』

Aは優しいから、変に思いつめたりすることもあると思う。

俺が芸能人やからって、勝手に自分を責めたりすることもしとるんとちゃうか。

けど、俺といる時は全部忘れて、心の底から笑っててほしい。

俺がAを笑顔にしたい。

「やったなあ～？」

『きゃあっ！(笑)』

「ハグの刑～！！」

Aを後ろからぎゅーっと抱き締める。

どこにも行かせないように。

『…こんなの刑になってないよ』

「ご褒美になってもうた？」

『うん、ただのご褒美』

「そっかそっか、ならもっと！」

もっともっと力をこめて、ぎゅーっとする。

『……やっぱ望の腕の中が安心する』

「ほんま？」

『……うん』

「じゃあ、ずっとこうしといたる」

『…………こっちがいい』

すると俺の腕の中のAは、くるっと回転して

俺と向かい合わせになった。

そして、俺の背中に手を回し、顔を胸に押し付けて。

「………ずっと一緒にいような」

『…………うん』

「俺はアイドルの前に、1人の人間やから」

『……分かってる』

「Aが芸能人やないとか…関係あらへんよ」

『………ありがと』

ずっとずっと、離さへんから。死ぬ時も一緒やで。

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