森本刑事の恋愛日記４

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優香さんとお母さんとの話を終えて会議室を出た私たちが興雲大学に戻ろうとすると、琢磨がこそっと耳打ちをしてきた。







「……友達、だからね？」

『……え？』

「優香ちゃん。……ただの、友達、だから。今まで、ずっと」

『あぁ………うん、そっか、ありがとう』






私が勘違いして嫌な思いをしないようにと気遣ってくれる彼の優しさが心にしみた。


そりゃあ、私が琢磨と出会うずっと前に琢磨と距離を縮めていた優香さんに、嫉妬していないといえば嘘になる。





でも、琢磨が彼女とは何もなかったとこうやって一言添えてくれるだけで、私は彼女に対して黒い感情を抱くことはなくなる。


彼の申し訳なさそうな顔は、これも原因だったのかもしれない。









『気にしてたの？』

「Aは気にする？」

『まあ、元カノですって言われるのは嫌だよ』

「違うからね？」

『分かってるよ、嘘だと思ってないから』

「ありがとう」

『こちらこそ、ちゃんと伝えてくれてありがと』







彼とは、いつまでもこうやって気を遣い合って、

ちゃんとそれにお礼を言い合って、

長くやっていきたいな、と改めて思った瞬間であった。









茶子「素敵な、お2人ですね」

朝顔「……私も、そう思います」

山倉「まるで朝顔先生と桑原みたいです」




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