��8話 ページ43
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森本さんのオジさんだという丈一さんのお誘いをうまく交わした翌日。
また新しいご遺体を解剖し終えたみなさんが、研究室に戻って来た。
高橋「あれ、うっしーは？」
安岡「遅刻です」
早々に揉めてしまう光子ちゃんと高橋さん。
これは、気を使いすぎな高橋さんが悪いのだ。
高橋「いやいやいやこれくらいノーカウントでしょ？」
安岡「遅刻は遅刻です！」
『あ、うっしーなら向こうに……聞こえてないな』
安岡「遅刻ですからね？」
すると、続々と席に座っていく皆さんを見送った森本さんが、部屋の端っこにいる私に小声で話しかけてきた。
「…今日、ですよね」
『…ですね、』
そう。
例の、お食事の日程がやっと決まったのだった。
「もう、お店予約してあるんで」
『…ありがとうございます』
「仕事終わったら、迎えに来ます」
『はい、お願いします』
みんながいる中で、
2人だけの世界に入って、
2人だけの会話。
なんだか秘密の会話みたいで、心が少しだけ跳ね上がる。
森本さんとのいつもより近い距離に、いつもよりもドキドキして。
高橋「あれあれ？お2人さん、何のお話？」
「へっ」
しまった。高橋さんに見つかった。
こうなったら藤堂先生にも絡まれてしまう。
藤堂「なんやなんや、知らん間に〜」
ほら。
なんかいいもの見つけたみたいにニヤニヤしちゃって。
「いやいや、なんもないっすよ、ね？」
目線で私に同意を求めてくる森本さん。
『っえ、はい、』
高橋「怪し〜」
藤堂「怪しいなぁ〜」
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作者名：なぽりたん
| 作成日時：2021年5月30日 21時
