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とりあえずガラス片を並べ終わったものの、どのガラス片がどの傷を付けたかを調べることになった。
でも今、家に1人のオジちゃん。
ちょっと心配になって、研究室を出て連絡を入れることにした。
ゴキブリ退治頼んだけど、大丈夫かなあ。
画像なんて送ってきて、腹が立つ。
「ちっ、」
珍しくイライラしてしまい、思わず舌打ちをした。
『……森本さん？』
「っ、はい」
研究室からひょっこり出て、俺の名前を読んだAさん。
手に持ってたスマホは慌てて隠した。
『なんか、怒ってました？』
声大きかったかな、申し訳ない。
「あぁ、家にゴキブリ出ちゃって。絶対退治してくれよ、って」
『…彼女さん、ですか？』
「っへぇ！？」
そんなこと言われると思ってなくて、変な声が出てしまった。
『お家に、いるんですか？』
「っ違います違います、オジちゃんです、親戚の」
『あぁ、親戚の、』
親戚のオジちゃんと住んでるってのも、変に思われそうだけど。
「それに僕、彼女いませんから！！」
『…そう、なんだ』
少しびっくりしたような顔。
こんなに大きい声出したからか。
「はい、いませんから！いませんからね！」
『そんなに強調しなくても』
「だって…いるって、勘違いされたくないですから、Aさんには、」
『私には…？』
あぁなんか、こんなこと言うつもりなかったのになあ。
頭で考えるより先に、どうしても口から出てしまう。
「………あ、Aさん彼氏いたりします！？」
『……いないですよ、あの彼が、最後です』
「あぁ、ですよね、うん」
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作者名：なぽりたん
| 作成日時：2021年5月30日 21時
