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｢ツギハギの人型呪霊ねえ…｣
先程聞いた呪霊の特徴を声に出す。
生まれたばかりだとしても、一級呪術師である彼にあれだけの傷を与えたとなれば、成長速度は著しいものなのだろう。
数ヶ月前に会った火山頭の呪霊達の一派だとしたら、相当ややこしい事になる。
それに__
｢…魂に触れるか｣
同じ術式を持つ者として、少し気になった。
恐らく、原理は同じだろう。
魂に触れ、その者の形を変える。
呪霊と同じ術式というのも如何なものだと思うが。
｢まあ、建人くんなら大丈夫でしょう｣
何て、後々後悔する様な軽口を零し、私は駅へと向かう。
それから電車と新幹線を乗り継ぎ、深夜には仙台に到着。
一先ずホテルに入りシャワーを浴びているが、このまま次の任務に行ってしまえばお昼頃には中部の任務へ行けるのではないのかと、イカれた考えが頭を過ぎる。
｢東北は仙台で四件と秋田で二件だけ…、これから片付け始めて朝六時。始発の新幹線乗って秋田…、昼には終わってそこから長野。行けるわね｣
睡眠も食事も報告書の纏めも移動の新幹線で十分だ。
先程、悟から思ったよりも簡単な任務ばかりで一週間掛からなそうだと連絡があった。此方も早めに片付けなければ。
そうと決まればとシャワーのお湯を止め、湿る髪をバスタオルで乱雑に拭き準備を進める。
｢さて、やりますか｣
左眼を目隠しで覆い、張っていた簡易結界を解く。
一時間もせずにチェックアウトしたので訝しげな視線を向けられたが気にしないで貰いたい。
｢…涼しい｣
東京とは異なる夜の気温にそう言葉を零し、私は夜の街へと繰り出した。
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作者名：HamA | 作成日時：2020年12月14日 0時
