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『
一応は、鬼禱家の相伝術式である。
一応というのも、鬼禱家全員が持てる霊鬼呪法とは異なり、この術式は特別なのだ。
百年に一度、受け継がれる術式。
何代目なのかは分からないが、私はその持ち主となって生まれてきた。
『
そして___
《…A。三鬼同時契門はよせとあれ程__成程な》
「…頼むわ、
綺麗なミルクティー色の長い髪に、淡い青の瞳。左側の額から赤色の一角を携え、白を基調とした金箔が施された着物。
天と紅葉を蔑みの目で見る鬼女、『
《天、紅葉。下らん言い合いでAに迷惑を掛けるなと何度言えば分かる。我等を呼び出すのにどれだけの呪力を使わなければならないか知っている筈だろ》
《紅葉が調子乗ってるから》
《なっ…!貴様の方こそっ!》
彼女は私が一番最初に呼び出す事が出来た式神だ。付き合いも長い、天や紅葉にとっては姉の様な存在である。
その纏う大人な雰囲気や息を飲む様な美貌も相まって、彼女の怒った顔は中々に響くものがある。
だからこうして天と紅葉が喧嘩を始めた時は彼女を呼ぶに限るのだ。
《いい加減にせよ。Aの呪力の減りが激しい。さっさと戻って呪力を返すぞ》
「…?…式神って術師が自在に戻せるものじゃないの?」
「…ああ。ただの私の力不足でもあるのだけれど、そうね__」
説明するわと、だるい身体を休めようと地面に座り、私は術式の開示を始めた。
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作者名:HamA | 作成日時:2020年12月14日 0時