観賞１３日目 ページ17
「.....」
不二君が7―5で勝った後。
私は即座に竜崎先生に挨拶してから家に帰ってきた。
....はず、何だけど。
「やぁ」
何で試合終わって疲れているはずなのに
この人、私の家まで来ちゃってるんですかっっっ?
「はい」
「....奢ってくれてありがとう」
二人で近くの公園まで行き、ベンチに座り
不二君はリンゴジュース、私は....あの日
藤の花から送られたのと同じミルクティーを片手に持っている。
最初は私がジュースを送ると言ったのだが、彼が顔を近付けて
「ん?」
と、謎の圧をかけて来たので、大人しく奢ってもらってしまった。
「都大会前半突破、おめでとう」
「ふふっ、ありがとう」
"ｶﾝｯ"
缶と缶がぶつかり合う音が鳴る。
そして、互いに半分位一気に飲んだ。
「そういえば今日、流石に裕太君がお家に帰って来てるでしょ?
お家で一緒に色々と話さなくて大丈夫なの?」
「うん、それより先に....ね」
う"っ!!
大体話の予想は付く。
「僕の事、名前で呼んでくれない?」
....ズルい、真剣で本気そうな目をするなんて。
初めて彼の表情を恨む。
「なんで、私なの?
他にも可愛い子たくさんいるじゃん?」
すると、彼は俯いた。
「そうだね、君より可愛い子なんていくらでもいるよ。
けど....
『君よりも僕の事を真っ直ぐに見ている子はいないよ』」
「じゃあ、また明日」
結局、不二君を名前では呼べず、そのまま送ってもらい
私の家に着いてしまった。
手を振った不二君はどこか寂しそうに見えた。
私の中で、何かがプツリと切れる。
....あんな表情見たくない。
そう思った次の瞬間。
道路に私は急いで飛び出し、家から数歩離れた所まで歩いていた
「周助君!!」
彼....周助君の名前を呼んだ。
「!?」
目をまん丸にする彼。
普段の私なら、じっくり観賞したいと思うだろうが
今回ばかりはそんな余裕が無かった。
「っまた明日ね!」
私なりの精一杯の笑顔を見た彼は
「うんまた明日、『A』さん」
初めて....私の名前を呼んでくれた。
あの頃、一生彼と交わる事が無いと思っていた
２年生の頃の私に言ってあげたい。
いつかは平行線になるよ、と。
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Le-ca(プロフ) - いと尊し…(///∇///)面白いし鈍感にも程がある主人公が面白す。 (2019年11月6日 18時) (
レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)
あかい - すこすこすぎて辛い… (2019年11月2日 19時) (レス) id: d0d7644a12 (このIDを非表示/違反報告)
佐久良鏡 - ふじりんごさん» この作品を尊いと言って下さりありがとうございます!もはや作者冥利に尽きます!これからも更新頻度はなるべく保っていける様に頑張っていきたいと思います! (2019年10月25日 17時) (レス) id: 95ed02970f (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - 何度もコメントして悪いんですが、マジしんどい。尊いですいやもう好き。ってことだけ言いたかったんです…w更新頻度も載せる話も多くて嬉しいです(´∀｀)次回も楽しみしてます。 (2019年10月25日 16時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
佐久良鏡 - ふじりんごさん» ご指摘ありがとうございます!!すぐに訂正します!あと、この作品を面白いと言って下さり、ありがとうございます! (2019年10月21日 17時) (レス) id: 95ed02970f (このIDを非表示/違反報告)
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