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「おとーさんっ…ねぇ……」
「……」
「ぐすっ……ふぇ、」
聞こえているはずなのに無言を貫かれて、侑李はやっと今の状況が最悪の事態だとわかったらしい。
迷子になった子供のように立ち尽くして、ぐすぐすと泣きじゃくる。
「ひっく…ぅ……ごめ、さないっ…ごめんなさいぃ…!」
「……」
「ごめんなさいっ!!もぉわかった!!」
あれだけ言いたくないと、言わないでいた「ごめんなさい」を伝えても無駄だった。
許してもらえるはず、なんて自信はどこかへ行って、許してもらえない不安が一気に押し寄せる。
「ぅ、うぁあああんっ!!」
どうしようもなくなって、侑李はその場にしゃがみ込んだ。
それこそ小さい子供が駄々をこねる様子とそっくりで、わんわんと声を響かせて泣いている。
ただそこには、「こんなに泣いていたらさすがに見てくれる」という甘えもあった。
光が「仕方ないなぁ」とキッチンからこちらへ帰ってきてくれると期待さえしていたのだが…
侑李の思いとは裏腹に、光は見向きもしない。
光には侑李の思惑がわかっていたのだ。
それに、壁のところで反省するように言ってあったので、侑李がそれを実行するまでは無言を貫こうと決めていた。
もちろん辛くないわけではない。侑李の泣き声に何度も指を切りそうになりながら料理を続けていた。
「う、うぁあんっ…!やだ、もぉおっ…」
「……」
「ふぇ、もぉやだよっ…ゆるしてよぉぉっ…」
許されることを期待していた声は、次第に不安そのものになっていた。
火照ったお尻がじくじくと痛い。こんなに風になるまでお仕置きされたのは初めてだった。
それに、悪いことをした時に「頭を冷やしなさい」と立たされることはよくあったが、こんなに厳しいものではなかった。
お仕置きの代わりに立たされたり、お説教で言われたことを理解しようとしなかった時に立たされたり…それはお仕置きの前に行われることの方が多く、
今日のように散々お仕置きをした後に立たされるなんて…
まるで今日のお仕置きの全てに意味がなかったと言われているようで、お仕置きで反省できなかった自分を見捨てられてしまったようで、侑李はどんどん心細くなっていく。
「ぁ、ぅ…うぇぇんっ…やだっ…おとーさんっ…」
「…」
「反省するからぁっ…!…ふぇ、ぅっ…」
侑李がどんな言葉を並べても、光はこちらを見てはくれなかった。
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みつあめ(プロフ) - みゆうさん» リクエストは受け付けておりますので、もうしばらくお待ちいただければと思います。なかなか思うように書けていなくて時間がかかります。 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - 有岡が遅刻してなかなか反省せずに怒られるのをお願いします!侑李と危険な遊びくらいのをお願いしたいです!現実設定でお願い致します。こちらの内容たのしみにしております!お忙しいと思いますが、よろしくお願いいたします。 (2021年1月31日 18時) (レス) id: 7c2230dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - みゆうさん» なかなかお返事ができなくてすみません!リクエストとパスワードについて、長くなりそうなのでメッセージでお返事させてもらいます!マイボードの通知を確認していただけると助かります。 (2020年9月27日 13時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - FC2ブログの僕らを取り巻く世界のパスワードを、教えていただきたいです。 (2020年9月27日 6時) (レス) id: 7c2230dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - リクエストよろしいでしょうか?有岡が遅刻してなかなか反省せずに怒られるのをお願いします!侑李と危険な遊びくらいのをお願いしたいです!現実設定でお願い致します。 (2020年9月24日 17時) (レス) id: 7c2230dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつあめ | 作成日時:2020年9月22日 13時