あ ろっと おぶ…らぶ ▽７

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「侑李？」

「…」

「侑李、どうしてこんなことしたのか言って」



雄也が問い詰めると、侑李は不機嫌そうに呟いた。



「…だって飲みたくないから…」

「治らないよ、」

「いいもん…。こんな苦いの飲むなら、治んなくていいのっ…」



いつもいい子な侑李がたまにワガママを言いたくなるのもわかる。
そして、許してやりたいとも思う。なにせ、窮屈で自由のきかない病院暮らしなのだから。

しかし、「治らなくていい」という言葉と、薬を無駄にしたことは看護師として許せなかった。



「侑李、」

「っ、…」



低い声で名前を呼ぶと、びくっと体をこわばらせる。



「治らなくていいなんて、言ったらダメ」

「だって…」

「侑李のパパとママにも、友達にも、診てくれる先生にも…侑李自身にも失礼だよ」



雄也が言い聞かせるが、侑李はまだむくれたまま、納得できないような顔をしていた。


荒療治かもしれないが、この意地っ張りはそう簡単に説得できるようなものでない。

雄也はベッドの淵に座ると、布団にもぐる侑李を抱き上げて膝の上にうつ伏せにさせた。



「なっなに…やだ、はなして！」

「だめ。薬捨てちゃうような子には、少し痛い思いしてもらうから」

「っ！や、やだ…！」



何をされるのか見当もつかない侑李だが、良いことではないのはわかる。

優しくて穏やかな雄也に叱られていることもショックだった。
とにかく逃げようと抵抗してみるが、腰を抱えられて、手も押さえ込まれてしまった。



ぱしんっ！！

「！？なっ…」



お尻に衝撃が走って、ぴりぴりと痺れた。

侑李にはすぐにわかった。
雨の日に見るアニメＤＶＤでたまに見たアレ…



ぱしんっ！！

「いっ…たぁあ！！」


ぱしぃんっ！！

「いぃ…なにすんの！やめてっ！！」



恥ずかしさで真っ赤になりながら身体全体で抵抗する侑李。だが、逃げ出すことはできない。

雄也は変わらず手を振り上げた。



「薬、嫌だからって捨てちゃダメでしょ」

ぱしんっ！

「治らなくてもいいも、言ったらダメ」

ぱしんっ！

「うぅ…」


ぱしんっ！

「やっ…やだ…！っふ…うぅ…」

ぱしんっ！

「いたぁ！！や、やだってばぁっ…！」



ついに、黒目がちな瞳からぽろぽろと涙が零れ始めた。

・→←とある病院の侑李くん。　Tk/Cn

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