あ ろっと おぶ…らぶ ▽３

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「っ…え、えっと…」



振り返った雄也くんの顔は割と本気だった。



「今までも、治してもらってるのにあんなこと言ってたの？」

「…っ……」



私と山田の間では普通だった罵り合い。
もはや普通になってたけど、雄也くん的にはアウトだったらしい。



「仲良いのはいいと思うし、普段は別に気にしないよ？」

ばしんっ！

「ひっ…！」


「でも、怪我治してもらってるのにアレはだめ」

ばしんっ！

「っあぁ！…だ、だって山田もっ…」

「確かに口は悪いと思うけど…、A、治療してもらってありがとうも言ってないでしょ？」

「〜っ…」



そんなこと、あの医者に言えるわけない。



「ありがとうございましたって、ちゃんと山田に言いに行って」

「！？や、やですよそんなの！！」

ばしぃんっ！

「ひゃぁあっ！！」



ついでのように始まった『山田への態度の悪さ』のお仕置き…のはずなのに、ついでにしては痛すぎる。



「Aが無茶しても現場復帰できるのって、誰のおかげなの？」

「う……そ、それはっ…」

「…言いに行けるね？ちゃんと」

「……」

ばしぃんっ！！

「いたぁあっ！！わ、わかりましたっ…、ちゃんと言いますっ…」



仕方なくそう言ったら、やっと膝から降ろしてもらえた。

まさか、こんなことまで怒られるなんて…雄也くん、意外と厳しい…



「…ぐすっ……」

「ごめんね…？」

「え…」

「女の子だから、あんまり泣かせたくなかったんだけど…」



そう言って涙を拭ってくれる雄也くんは、ずるい。いい匂いするし。



「…BESTはさ、最前線で戦場に行かなきゃ行けないけど…なるべくずっと、このメンバーで戦ってたいんだよ」

「、雄也くん…」

「無茶したり無理してAが欠けたらダメなの。
みんな、そう思ってるから。Aにもわかってほしかった」



たぶん今日厳しく言ってくれたのは、雄也くんの優しさなんだってわかった。


最前線部隊は、一番命を落とす確率が高いから。
だからこそ、先輩たちはみんな“命”には敏感で。

…きっと山田も、それをわかってるから口うるさく言う…のかも。



「銃の練習、怪我治ったらまたやろうね？」

「…！はい！」

「あと、ちゃんとありがとう言いに行ってね？」

「……はい…」



一緒に行ってあげようか？なんて言うから、恥ずかしくて断った。


雄也くんと約束しちゃったし…仕方ないから言いに言ってやろう。
バカにされるのは目に見えてるけど…ね。

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