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結局私は…
「っく、…ぅ…ごめんっ…てば…」
ばしぃんっ! ばしんっ!
「っあ!!…ごめんなさいっ…!」
お尻の痛みに耐えられなくなって、悔しいけど謝った。
ため息が聞こえて、乱暴に膝から降ろされたと思ったら、
「じゃ、あとは任せるわ」
「っ…え……?」
ぽいっと放られて、私は雄也くんの胸にダイブしていた。
「…え?」
それには雄也くんも戸惑っていて。
でも、山田は冷静だった。
「今のは医者として、無茶したバカを叱っただけ。雄也も、こいつに思うところあんじゃない?」
「なっ…バカっ、て…!」
「まぁ俺は育成学校行ってないから詳しくないけど?…そんな腕で銃扱うとか、お前ナメすぎだろ」
「っ…、」
そう言って私を睨んだ山田は凄みがあって、お仕置きされてる時より怖いと思った。
「そんな態度、銃専門でやってる雄也に失礼すぎる。俺だったらキレてんな」
「っ…」
「だから、あとは任せる。煮るなり焼くなり、尻引っぱたいて叱るなりする権利は雄也にもあると思うけど?」
怖いことを言われて、私はおずおずと雄也くんを見上げる。
「…ゆ、雄也くん…」
「…それも、そうかもね」
「!?」
「正直、俺も今日のは怒ってるよ」
普段優しい雄也くんに言われて、ズキっと胸が痛い。
「…ちょっと、話そうか?」
・
寮に併設された治療室を出て、みんなの部屋がある共同スペースに戻ってきた。
この時間はだいたい訓練や自主練でみんな外に出てるから、中にいたのは伊野尾くんだけ。
「お疲れさま。…高木どーしたの、怖い顔してるけど」
「んー…ちょっとね」
伊野尾くんは何か察したのか、「そっか」って言ってイヤホンをはめて作業に戻った。
私は雄也くんに手を引かれて、雄也くんの部屋へ。
椅子に座った雄也くんは私を前に立たせて、真剣な顔で見上げた。
「腕のこと、どうして言ってくれなかったの?」
「……だ、だって…」
「…だって?」
「…せっかく、雄也くんに教えてもらえるから…」
そう。私はその一心だった。
「無駄に、したくなかったんです…。早く、習得したくて…」
「…練習始める時、最初に言ったこと覚えてる?」
今日最初に言われたこと…
「精密射撃は…骨で、支える…」
雄也くんは「精密射撃の基本だよ」って、それを教えてくれた。
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みつあめ(プロフ) - LEONさん» 薮パパのお仕置きが基本的にゆっくりなのと、涼介くんが少し反抗していたのもありますが…やっぱりこの家庭は厳しいので長くなりました 笑 きっと八乙女家が帰った後にたくさん甘やかしてもらってますよ(^^) (2018年9月18日 21時) (レス) id: f58c67f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - 薮りおさん» コメントありがとうございます!リクエストとしてきちんと応えることはできませんが、薮家の涼介くんのお話は今後も書きたいと思っていたので、そこで参考にさせてもらいます! (2018年9月18日 21時) (レス) id: f58c67f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
LEON(プロフ) - パパが怖い涼ちやん、かわいいー。我慢しようとして、できないところとか。でも、涼ちゃん、八乙女家とそんなに終わる時間が変わらないような気が。厳しかったねー。甘えていいのにー。 (2018年9月17日 21時) (レス) id: d2b955669e (このIDを非表示/違反報告)
薮りお(プロフ) - リクエストいいですか?山田くんと薮くんパパのところで、山田くんが小さい時にお留守番してたら窓ガラスを割っちゃって、厳しくお仕置きされる話が見たいです。 (2018年9月17日 18時) (レス) id: 5accb13d80 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - ゆずきさん» コメントありがとうございます!涼介くん、怒ってるパパが相当怖いみたいです(笑)今日中にアップできるように頑張りますね! (2018年9月16日 12時) (レス) id: f58c67f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつあめ | 作成日時:2018年7月11日 21時