・ ページ16
そこからの展開は早い。お兄ちゃんの新品の甚平はあっさり下ろされた。
パチンッ!
「っ…」
パチィンッ! パァンッ!!
「った、…!」
お兄ちゃんは負けず嫌いで意地っ張り。
こういう時だって、なるべく恥をさらさないことを考えてる。
パチィンッ! パチィンッ!
「っく、…いぃっ…!」
パシィンッ! パチンッ!!
「〜っ…!い、たぁっ…!」
もうお尻がうっすら染まりはじめてる。恐ろしい。
数分後にはあれが我が身だなんて思うと、いくらムカつくお兄ちゃんでも同情する。
「全く、何のための門限だと思ってんの」
パァンッ! パチィンッ!
「っ…!」
「正当な理由つけてだまして、」
パチィンッ! パチィンッ!
「いぁ゛っ…った…!」
「それが悪いことだってくらいわかるでしょ」
パァァンッ! パシンッ!!
「っう、ぁ…!」
もうだいぶ叩かれてるのに泣かないお兄ちゃんはすごいと思う。私だったらむり。
でも鼻をすすり始めたから、もう限界は近いのかも。
…なんて思ってからもう10回は落とされた平手。
お兄ちゃんはまだ泣かないし、お父さんの手も止まらなかった。
私も同じだけ叩かれるんだよね…って心配で心が重くなってきたとき、
「…それに、あんまり疑いたくないんだけど、」
そう言って、お父さんは一度手を止めた。
「…今までも、同じようなことしなかった?」
「…っ、」
「電車が混んでて乗れなかったっていうメール、何通ももらったことあるけど?」
あぁ、結局見破られた…
お兄ちゃんだって忘れてたわけじゃないけど、触れないでほしいって思ってたはず。
一気に余裕がない顔になった。
「…黙ってるってことは、認めてるってこと?」
「…ほんとのときも、ある…けどっ……ほとんど、…」
「…ほとんど、何?」
「っ……うそ、ついて、た…」
私には上から目線なお兄ちゃんだけど、やっぱりお父さんには弱い。
まぁそれだけ怒ってるお父さんは怖いってこと。普段が優しい分、特にね。
「何回その嘘ついたんだろうね?何回お仕置きから逃げたのかな?」
「っ…」
ほら、怖い。
怒ってるときは普段と口調が少し違うんだよね。
それがきっと『怒ってるよ』ってお父さんからの提示で、私たちはそれをしっかり受け取って反省する。
「じゃあ今日はその分もお仕置きしようか」
お兄ちゃんの顔が、今日イチで情けなく歪んだ。
114人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みつあめ(プロフ) - LEONさん» 薮パパのお仕置きが基本的にゆっくりなのと、涼介くんが少し反抗していたのもありますが…やっぱりこの家庭は厳しいので長くなりました 笑 きっと八乙女家が帰った後にたくさん甘やかしてもらってますよ(^^) (2018年9月18日 21時) (レス) id: f58c67f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - 薮りおさん» コメントありがとうございます!リクエストとしてきちんと応えることはできませんが、薮家の涼介くんのお話は今後も書きたいと思っていたので、そこで参考にさせてもらいます! (2018年9月18日 21時) (レス) id: f58c67f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
LEON(プロフ) - パパが怖い涼ちやん、かわいいー。我慢しようとして、できないところとか。でも、涼ちゃん、八乙女家とそんなに終わる時間が変わらないような気が。厳しかったねー。甘えていいのにー。 (2018年9月17日 21時) (レス) id: d2b955669e (このIDを非表示/違反報告)
薮りお(プロフ) - リクエストいいですか?山田くんと薮くんパパのところで、山田くんが小さい時にお留守番してたら窓ガラスを割っちゃって、厳しくお仕置きされる話が見たいです。 (2018年9月17日 18時) (レス) id: 5accb13d80 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - ゆずきさん» コメントありがとうございます!涼介くん、怒ってるパパが相当怖いみたいです(笑)今日中にアップできるように頑張りますね! (2018年9月16日 12時) (レス) id: f58c67f2a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みつあめ | 作成日時:2018年7月11日 21時