あ ろっと おぶ…らぶ ▽２

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光が倒れたプランターに土を戻したり花を立て直したりして元に戻す作業をしている時、
大貴は静かに忍び寄って、光のお尻をぺしんっと叩いた。



「わっ…え？大貴？」



光が驚いて振り返ると得意げに「いひひ」と笑う大貴と目が合う。



「ひかるせんせ、こわしたらいけないんだよっ！」

「え、うん…？」

「だから、おしおきっ！」

「えぇ！？」



えいっとまたお尻に小さい手が。

光も雄也と同じように、いつも叱られてるのに叱る側になれて楽しいんだな、とすぐに大貴の心を理解した。

大貴が楽しそうにしているので、光はノッてあげることにする。



「うわっ、痛い痛いっ！反省しましたっ」



ごめんなさいと手を合わせて大貴を見ると、



「んふっ、だめーっ！」

「なんでだよぉ(笑)」



ニコニコ笑顔で「だめ」と返される。

プランターを直しながら大貴との攻防を繰り広げていると、
その様子が気になったのか、光抜きでサッカーを再開していた子たちもやってきた。



「大ちゃんなにしてんのー？」

「せんせー、こわしたからダメだよねって」

「うん？」

「だからね、おしおきしていいよってゆーやが…」



そこで雄也の入れ知恵だということを知った光。

「何言ってくれてんだよ」と砂場の方を見てみると、気づいた雄也にひらひらと手を振られる。



「雄也のやつ…！」



そんなことをしている間に、大貴の話を聞いた他の子も面白そうにぺしぺしと叩き始めた。



「痛い痛い！ごめんって…」

「ごめんなさいでしょー」



いつも自分たちが言われていることを真似して返してくる子どもたち。

光は「子どもって面白いな」と微笑ましくなるが、子供たちが足に纏わりついてくるせいでプランターの片付けは全く進まない。



「わかったから…ね、もう許して？」

「だめっ、ごめんなさいして！」

「わかったわかった、ごめんなさい」



さっき大貴にも言ったんだけどな…と、侑李に再び謝らせられた光は苦笑い。



「しかたないなぁ〜」

「もうしちゃダメだからねっ」



いったい誰なんだよ！とツッコミたくなるが、ぐっとこらえて、光は満足して帰っていく子供たちを見送った。



最初はふざけて「痛い」なんて言っていた光だが、ちびっ子数名の手加減がない“おしおき”のせいでその言葉は本当になってしまった。


光は「いてて…」とお尻をさすりながら、プランター直しを再開するのだった。

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