あ ろっと おぶ…らぶ ▽１

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問題の翌日になった。


結局僕たちの体は入れ代わったままで、朝からため息が出る。


だって今日は2人とも仕事が入ってて、僕になった大貴はヒカと涼介と一緒にバラエティの収録、
大貴になった僕には食レポの仕事が待ってる。

その後にはメンバー全員での撮影の仕事も入ってるから、僕たちのことがバレるリスクが高くなるってことでもあるし。



「ねぇ大貴、お願いだから大人しくしててよ？絶対悪目立ちしないで」

「なんだよその言い方ー…」



仕事に行く前に、大貴に電話して注意しておいた。

僕と大貴じゃグループでのポジションが違うから…
いつも通り大貴のテンションで僕の代わりをやられたら困るもん。



「やだからね僕、バカだと思われるの」

「わかってるよ！そっちこそ、食レポちゃんとやってよ？」

「うっ…頑張る、けど…自信ない…」



何でよりによって食レポの仕事が被るんだろう。
自信ないし、まず現場に一人で行くの不安だし…だって、見た目は大貴だけど中身は僕なんだから！

僕の知り合い一人もいない所に行って苦手な食レポ…気が遠くなりそう…。


お互い頑張ろう、そう言って電話を切った。



・



・



(視点なし)


個々での仕事を終えた有岡と知念は、メンバー全員での仕事のためにテレビ局を訪れる。

そこでお互いを見つけると、誰も使っていない楽屋に素早く入った。



「大貴ごめん…今日の撮影撮り直しになっちゃった…」



先に口を開いたのは有岡の体をした知念。


有岡は他のメンバーもいたので“知念”としての収録もなんとかなったが、知念は一人きりなので負担が重かった。

何より、人見知りな知念が一人で見知らぬ人に囲まれた現場で苦手な食リポをする、というのがあまりに過酷すぎた。

結局上手くいかず、「具合が悪い」ということにしてもらい、後日撮り直すことになったのだ。



「食レポ、大貴みたいにできないし…スタッフさんとかとも、どう喋っていいかわかんなくて…」

「えっ待って、それってヒカにばれて怒られるパターンじゃ…」

「…ごめん」



申し訳なさそうに俯く知念。
有岡は叱られると分かり、急にガックリと落ち込む。しかし、



「あっ…でも俺も…今日の収録、ちょっとだけ遅刻しちゃって…」

「えっ！？」

「あと、昨日も実は…ほら、色々あってバタバタしたから遅刻して…」

「嘘でしょ…」



有岡は有岡で、知念の体で遅刻をしていたのだ。

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