あ ろっと おぶ…らぶ ▽１

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(伊野尾視点)


メイクを終えて薮と一緒に楽屋に戻る。
そしたら、楽屋に近づくにつれて聞こえてくる子供の泣き声。


もしかして、光か大ちゃんが何かやらかした！？って思って急いでドアを開けたら、



「やあだぁああっ！ごめんってばぁ！」

「いたいよぉっ…ごめんなさいぃ！」



小さい子をお仕置きしてる知念と裕翔。
だけど、膝に乗せられてるのは光と大ちゃんじゃなくて…



「涼介！ちゃんとわかってるの！？」

ぱちんっ！！ ぱちんっ！！


「泣いたってだめだよ圭人、ちゃんと反省しないと」

ぱちんっ！！ ぱちんっ！！



「え、あれって…」

「山田と圭人！？」



俺と薮だけ事情が分からないままそれを見つめる。


ていうか、知念も裕翔も、怒ったら怖ぇんだ…



ちらっと楽屋の端を見たら、高木にしがみついて、
お仕置きされてる山田と圭人を見つめる光と大ちゃんが。

あれは…同情してる顔かな？
昨日自分達も同じ目にあってるから、思い出してるのかも。




お仕置きを邪魔しないようにそーっと移動して高木に事情を聴いた。


山田と圭人は、敵討ちみたいな感じで同じ場所に乗り込んで…
一枚上手だった“敵”に捕まって、幼児化する“謎の水”を飲まされたってわけね。

そんで、路上に放置。


確かに危険すぎることだから、知念と裕翔があれだけ怒っても仕方ないかも。

でも…もうそろそろ止めてあげないと、山田と圭人が可哀そうだな。



「知念、裕翔、もういいんじゃない？お尻真っ赤だよ？」



昨日も俺、似たような事言った気がする。


お尻叩かれてた2人は泣くのが精一杯で、俺と薮が楽屋に戻ってきてるのに気づいてなかったみたい。

驚いた顔で見上げられて、直後、すがるような目で見つめられる。



「いのちゃっ…たすけてぇ…」

「こら、なに助け求めてるの。悪いことしたの涼介でしょ？」



手を伸ばして来た山田は可愛かったけど、知念に咎められて真っ赤なお尻に一発くらってた。


圭人は、



「やぶちゃんっ…はんせいしたからっ…もう、ヤダぁ…」



昨日光と大ちゃんをお仕置きした薮にも叱られると思ってるのか、
大粒の涙をぽろぽろ零しながら言った。

それには薮も驚いてるみたいで、



「俺からはしないから、その代わり裕翔に、ちゃんと最後までお仕置きしてもらいな？」



そう言って薮は圭人の頭を撫でてあげていた。

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