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・. ページ15

和睦に努めようね。
たくさん聞かされてきた、言葉も。
静かに無視すればよいことも。
は。乾いた笑いが零れる。
ああいう人がいるのも。
いくら聞かされても教えられても、出来ないんだから。
オマエハナニヲシッテイルンダ。
知っていることなどないのだ。きっと。
楽して生きてきたんだ、知らないことの方が多いさ。
なあ。
生きてる意味って、審神者で在る意味って、何なんだよ。


引きこもって悪いなって、思ったことはたくさんある。
外に出て活動してみたいときもあった。
でも、管理が行きとどいてるから。
逆に怖くなって、逃げた。
一人の部屋が酷く落ち着いた、朝。

いつかこうやって、引きこもっていることもばれるだろう。
政府は全ての人間を監視しているのだ。
お前たちにとって、私らは操り人形だ。
監視して、操って、使えなくなったら即、ゴミ箱行きの。
後ろに何かがいる、そうやって感じた昼。

死にたいわけじゃない。お腹が空いていないわけでもない。
でも食事が喉を通らない。
気持ちが悪いのだ。
まるで、そんなようにコントロールされているような、夜。


本丸に来ても、なかなか食事は喉を通らない。
作ってくれる人に失礼だとは重々承知だ。
ごめんなさいの書置きと、まだ重たい膳を持つ。
大部屋まで運んでいくと、刀剣男士が揃いにそろっている。
ああ、まだ夕餉の時間なのか。
膳を置いて帰ろうとすると、長谷部に先回りをされて障子が閉じられた。
「通らせてくれないかな」
「……いくら主命でも、こればかりは」
「主」
「なんですか、国広」
くるりと振り返り、布を被った男士を見る。
「この本丸が不満なら、言ってくれ。
俺は写しだからな。多少の罵詈なら慣れているさ。」
「…それは、どういう事かな」
「主が夕餉とか食べずに残すから、
はじめは体調でも悪いのかと思ってたんだけど…違うんだろう?」
「ははは、なんでもお見通しだね。」
違うよ、違う。
話せないんだ。怖くて。
離れるのが恐くて話せないんだよ。



「不満など、無いよ。夕餉も申し訳ないとは思っている。
いつかは必ず、食べるから。それまで、待っていてほしい」

――――嘘 吐 き 。

・.→←・.



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めええい(プロフ) - やったねたえちゃんで寒気がしたww (2019年3月17日 19時) (レス) id: 9f8295de08 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 最後の青江の出現率ww (2017年8月5日 1時) (レス) id: 9a4aaf331d (このIDを非表示/違反報告)
まんぼう(cv:霧崎沙流)(プロフ) - 不知火さん» コメントありがとうございます!必殺技…といいますと喧嘩のシーンですかな?嬉しいコメント、本当にありがとうございます。 (2015年11月19日 21時) (レス) id: 39cd318735 (このIDを非表示/違反報告)
不知火 - あの必殺技のシーンが一番好きです。《*≧∀≦》Σ(゜Д゜) (2015年11月19日 20時) (レス) id: 90050b21f1 (このIDを非表示/違反報告)
- まんぼう(cv:霧崎沙流)さん» わかりました!フォローの際に一言入れます。返信遅れてすいません(;ω;) (2015年10月27日 1時) (レス) id: 65ec617e66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧崎 沙流 | 作成日時:2015年5月26日 23時

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