・雨の香り その1 ページ9
*
「すごい雨.....」
あの後、そのまま石川選手と分かれて玄関まで来た。
ドアの奥では、雨が勢いよくアスファルトを打ち付けている。
車で良かった、
一瞬そう思ったが、すぐに思い出す。
「車修理に出してるんだった、」
そう、先日愛車を修理に出したのだ。
つまり、この雨のなか徒歩で駅まで行かなくてはならない。
「さいあく」
大きくため息を吐くと、
「幸せ逃げるで」
頭にズシッとした重みを感じた。
そして、上から降ってくる声。
その声の正体は紛れもなく西川選手。
「西川選手、重いです。とりあえずその腕よかしてもらって良いですか？」
「ははっ、ごめんごめん」
西川選手はそう言って腕をどかした。
凄い雨やな、と呟き私の隣に立つ。
外では大きな水溜まりがいくつもできている。
西川選手が自身のキーであろう物をチラチラと見せてきた。
「車、乗ってく？」
これが先輩トレーナーとか他の選手とかだったら頷いていたと思う。
でも、西川選手に送ってもらうのは.....。
西川選手は「どうよ？」と私の顔を覗き込んでくる。
けれどこのどしゃ降りのなか歩くのは、さすがに辛くて。
「.....お願いします、」
結局そう答えた。
なのに、当の本人は驚いたような顔をしている。
あれ、もしかして冗談だったのかな？
だとしたら物凄く失礼なことでは？
選手様に送ってもらうなんて、
「あの、すみません。迷惑ですよね？」
「あ、いや！そうやなくて、断られると思ってたし、」
ちょっと嬉しかっただけやから、
西川選手はそう言って、私の手首を掴み、歩きだした。
「あの！手.....」
「駐車場行くで」
私の言葉は無視をして、西川選手はずんずんと進んでいく。
いつもだったらすぐに手を離すのに、
今の私は何故かそれが出来なかった。
ただ、西川選手の手の温かさだけが伝わっていく。
*
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梓(プロフ) - みやさん» 死ぬほど行きたかったんですけど、用事があって行けないんですー！スカパーにも入ってないので、色々と諦め気味です(笑) (2017年11月23日 20時) (
レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 了解です！ファンフェス近いですねー！梓さんは見に行かれますか？ ちなみに私はGYAORAで見ます(笑) (2017年11月23日 17時) (携帯から) (レス) id: 91f229b3cf (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - みやさん» 選手の名前言っちゃうと住んでるとこ特定されちゃうんで言えないです(笑)他県に住んでいるんですか？北海道寒いけど良いとこなんでぜひ来てみてください！ついでに、札幌ドームで野球見ていってください！(笑) (2017年11月23日 16時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 誰とあったんですか〜？(笑) 羨ましい！ 北海道にいきたい(笑) (2017年11月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 91f229b3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓 | 作成日時：2017年10月30日 22時
