その3 ページ37
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キラキラと光を受ける夜の街を私たちはゆっくりと歩く。
酔い覚ましに、と駅まで徒歩15分の距離。
「なぁ.....」
慎吾くんは前を向いたまま、ポツリと呟いた。
なに?とその横顔を覗きこめば、慎吾くんもこっちを向いてパチリと目が合う。
「...遥輝さんとは最近どうなん?」
「.........えっと、西川選手?」
「そう、遥輝さん。てか何?その間?」
忘れようと心がけていたのに、突然西川選手の名前を出すものだから一気にあの時のことがフラッシュバック。
「い、いや...なにも」
「チューでもしたんか?」
「え?!いやっ、え?...なんで?!」
慎吾くんはケラケラと笑いながら聞いてきたけど、もちろん私は冗談だなんて思えない。
は?マジなん?と慎吾くんは顔をしかめた。
「ちがっ...いや、違くはないけど。でも、してないです!未遂!そう未遂。あれは西川選手が一方的に...」
私のそんなわけの分からない言い訳をしても、慎吾くんは顔をしかめたまま。
「あのさ、」
そう言って慎吾くんは一つ息を置き、立ち止まる。その表情はいつもの柔らかい笑顔ではなくて、真剣な話なんだ、と私も立ち止まる。
けれど、この後落とされた発言はどうしようもなく私を悩ませるものだった。
「なぁ、俺もAが好きって言ったらどうする?」
好きや、成瀬ちゃん。
この時何故か私は戸惑いの奥で、
いつかそう言った西川選手の表情と、
声の低さと、
シチュエーションと。
西川選手を思い浮かべて、たくさんのことを彼と比べていた。
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梓(プロフ) - みやさん» 死ぬほど行きたかったんですけど、用事があって行けないんですー!スカパーにも入ってないので、色々と諦め気味です(笑) (2017年11月23日 20時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 了解です!ファンフェス近いですねー!梓さんは見に行かれますか? ちなみに私はGYAORAで見ます(笑) (2017年11月23日 17時) (携帯から) (レス) id: 91f229b3cf (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - みやさん» 選手の名前言っちゃうと住んでるとこ特定されちゃうんで言えないです(笑)他県に住んでいるんですか?北海道寒いけど良いとこなんでぜひ来てみてください!ついでに、札幌ドームで野球見ていってください!(笑) (2017年11月23日 16時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 誰とあったんですか〜?(笑) 羨ましい! 北海道にいきたい(笑) (2017年11月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 91f229b3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 | 作成日時:2017年10月30日 22時