F#7 ツンデレちゃんはいつだって。

・現状報告 ページ39

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「凄い顔やな、成瀬ちゃん」


おはようございます、と挨拶してきた成瀬ちゃんを見て、思わずそう言ってしまう。



「あぁ、中島選手。...そういえば一軍復帰されるそうですね。おめでとうございます」

「いや、全然おめでとうって顔してないんやけど」




笑顔一つ無しの成瀬ちゃん。そんな表情を見れば、なんかあったな、と思うのは当然のことだ。


なんやろうな？成瀬ちゃんが悩むことって言ったら大体遥輝関係やしな...。

あ、でも最近は慎吾も関わってるんだっけ？





「慎吾にでも告白されたんか？」

「な、な、なっ.....何故それを？！」




珍しく大声を上げて驚く彼女。




(え？マジやったん？冗談のつもりなんだけど)





「へぇー。大変やな、成瀬ちゃんも。二人にも迫られるなんて」

「いやっ...えっ？てか、なんで？なんで知ってるんですか？」

「俺の情報網舐めんなって」



成瀬ちゃんの額に軽くデコピンしてやれば、彼女はいたっと声をあげた。

慎吾のことを知っていたのはたまたまだ。
以前遥輝と何気ない雑談をしているときヤツはポロっとそのことを言ったから。






「で？振ったん？」

「...いえ、まだ答えてないです」

「は？なんで？」

「慎吾くんが後でいいって言ったので。.....もう本当に分からないです。慎吾くんも西川選手も」







私のなんかのどこがいいのか...。





そんな成瀬ちゃんの呟きは、小さくてどこか弱々しかった。








「まぁ、なんとなく分かるけどな。あいつら二人の気持ちは」

「え？なんでですか？」

「...どちらにせよ、早く慎吾には伝えた方がええと思うよ。じゃなきゃ慎吾も辛いやろ」

「.....わかってますよ」






彼女のその呟きも、小さくなって地面に溶けだした。



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