・確信犯と現行犯 その1 ページ14
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交流戦も終わり、楽天イーグルスとの試合のため仙台に乗り込んだ我らがファイターズ。
トレーナーになった、ということはもちろん私も帯同する。
毎週のようにあちこち行ったり来たりするのは少しだけ大変だけど、それだけやりがいがあるわけで。
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3連戦を終え、疲れた体をぐーっと伸ばす。
身体中がバキバキ言っている。選手の方が疲れてるはずなのに。なんとも情けない、
さぁホテルでゆっくりしよう、そう考えていたのに......、
「あ、これ焼けてるで」
なんで西川選手とお肉を焼いているのでしょうか?
私の向かいに座り、仙台名物牛タンを焼く西川選手。
「食わねーの?」
「いや、食わねーの?じゃないですから。なんで西川選手と二人で焼き肉してるんですか?」
「そんなん卓さんが誘ったからに決まってるやろ。え、なに?忘れたの?」
頬杖をしてニヤニヤしている西川選手を無視して、深くため息をつく。
そう、ホテルに向かおうとしたとき、
『成瀬ちゃん、焼き肉行かん?』
と、中島選手に呼び止められたのだ。
なのに、当の本人は不在。
もしかしてわざと来ないで、私と西川選手を二人きりにしようとしてる?
そんな考えがポンッと浮かんだが、ないないっと振り払う。
てか、なんで私を誘うの?私よりもっと楽しい人いるでしょ?
『好きや』
そしてあの夜のことを思い出す。
あの西川選手の瞳は吸い込まれそうなほど綺麗で真剣だった。
あぁ、もう。考えないようにしてたのに...。
「中島選手どこ行ったんですか?」
相変わらずお肉を焼き続ける西川選手に尋ねる。
「さぁ?もうすぐ来るやろ」
「あ、わりぃ。先二人で入ってて」と突然店の前で言い出した中島選手を思い出す。
やっぱりわざとだ。あの選手そういうとこありそうだから。
「あ、卓さんからや」
テーブルの上に置いてあった西川選手のスマホが振動する。
そこに映し出されているのは確かに"中島卓也"の文字。
なんだか悪い予感しかしませんよ。
電話に出る西川選手を見ながらそう思う私であった。
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梓(プロフ) - みやさん» 死ぬほど行きたかったんですけど、用事があって行けないんですー!スカパーにも入ってないので、色々と諦め気味です(笑) (2017年11月23日 20時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 了解です!ファンフェス近いですねー!梓さんは見に行かれますか? ちなみに私はGYAORAで見ます(笑) (2017年11月23日 17時) (携帯から) (レス) id: 91f229b3cf (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - みやさん» 選手の名前言っちゃうと住んでるとこ特定されちゃうんで言えないです(笑)他県に住んでいるんですか?北海道寒いけど良いとこなんでぜひ来てみてください!ついでに、札幌ドームで野球見ていってください!(笑) (2017年11月23日 16時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 誰とあったんですか〜?(笑) 羨ましい! 北海道にいきたい(笑) (2017年11月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 91f229b3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 | 作成日時:2017年10月30日 22時