*好きです、直也くん* ページ46
*
"今日は直也くんにキスをする"
そんな目標を立てて始まったこのデート。付き合って何ヵ月か経っているのだが、あの日以来私たちはキスというものをしていない。
だから、今日は私から頑張る。
そう思っていたのだけれど...。
なのに今は帰り道。空は赤く染まり始めている。
私たちは手をしっかりと絡ませて、ゆっくりゆっくり夕方の街を歩いていた。
気づけば目の前には見慣れたアパート。
(.....もう着いちゃった)
楽しい時間ほど早く過ぎてしまうとよく聞くけれど、これは本当なんだと最近つくづく感じる。
「ありがとう、送ってくれて。明日の試合頑張ってね」
「うん、ありがとう。じゃあまた明日」
直也くんはそう言って私に背を向けようとする。
(どうしよう、まだ何もできてない.....。)
既に直也くんは歩き始めようとしていて。
「待って!」
私は彼の裾を掴んだ。
直也くんは驚いたような顔。
...えっと、どうしよう!
そうだっ、キス!きっと今がチャンス。
でも.....どうすればいいの?!
この身長差で大丈夫?
彼は直も不思議そうな表情。
そんな直也くんを見れば私の脳内はさらにパニック。なんせ今まで恋愛経験なんて皆無。
どうすればいいか、なんて知っていたら最初からこんなに苦労はしていないのだ。
「A」
直也くんはそう静かな声で私を呼ぶ。
「っ?!」
すると、重なる唇。
直也くんは私の後頭部を掴んでいる。
一瞬にして私の心拍数は加速。体温は急上昇。
ゆっくり私から顔を離すと、直也くんは
はは、A顔赤すぎ、と柔らかく微笑んだ。
「え?なんで?てか、今のなに?」
「Aしてほしいのかなって思ったから」
「そうなんだけど...。いや!そうじゃなくてっ...今日は私から」
「私から?」
次はニコニコとどこか意地悪そうに笑いながらそう問う直也くん。
私からなに?と更に続けてくる。
(もうどうにでもなれ!)
彼の服をグッと掴んで、こちらに近づけて、
本当に触れる程度のキスを落とす。
「.....好きです」
私がそう呟けば、直也くんはパチリと瞬き。
かと思えばフッと優しく笑う。
「うん、俺も好きだよ」
そしてもう一度私に口づけをする直也くん。
次のキスは間違いなく先ほどよりも甘くて深かった。
*
これにて"告白大作戦"完結とさせていただきます。
最後まで読んでくれた方々、本当にありがとうございました!
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梓(プロフ) - 如月明日香さん» ありがとうございますー!如月さんのコメントはどれも嬉しいものばかりですよ(_ _)ちょくのことが好きになってくれたのなら嬉しいです(笑)最後まで読んでくださりありがとうございました! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 雛*さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると凄く嬉しいです(^^;番外編の方もよろしくお願いします! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
如月明日香(プロフ) - 完結〜〜!おめでとうございます! このお話で私は石川選手が好きになり、なんと実際に石川選手のタオルも買ったんです〜〜! それくらい、引き込まれる作品で、石川選手の魅力が詰まったお話でしたっ! 本当にこのお話大好きです!! 本当におめでとうございます! (2017年12月5日 0時) (レス) id: eed9e6c20a (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - はぁ……完結お疲れ様でした(;;) 終始ニヤニヤしっぱなしでした……´`* 素敵なお話をありがとうございました〜〜!! 番外編も楽しみにしてます◎ (2017年12月5日 0時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - わ、わ、わ…! ほんとですか(;;) ふ、ファンだなんて恐れ多いです;;ありがとうございます´`* ちょくくんファンなので、ちょくくんの作品があるのが嬉しくて…!*゚ これからも楽しみにしてますね〜◎ (2017年12月1日 14時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 | 作成日時:2017年10月14日 17時