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#30 ページ31

*




顔が真っ赤なAさんを見ると、
また熱が上がったのか?と心配になってしまうわけで。
もう一度彼女の額に手を当てた。

すると、何故かAさんは強く目を瞑りだす。
そんな姿を可愛いと思っている自分がいたことは、もっと不思議なのだが。


「良かった、上がったわけじゃなさそうですね。これ、飲んでください」


伝わる熱は決して高いものではなかったので、安心する。

持っていた薬を渡したら、Aさんは素直に受け取ってくれた。







ふと、棚の上に飾ってあった写真に目が留まる。
近寄って見てみると、そこには笑顔でピースをするAさんと少年。その様子は、どこかあどけなくて可愛らしい。
二人ともユニフォームを着ていることから、恐らく学生時代のものだろう。



「これ、高校のときのAさんですか?」


この後のことなんて考えず、気軽な気持ちで質問してしまう俺。


振り返ってみると、
Aさんは目を見開いて驚いたような表情をしていた。


当然、
しまった、と思うには時間がかからない。



同時に、いつか同じような感覚になったことを思い出す。





(・・・そうだ、一緒に飲みに言った時だ。ソフトボールを止めたという話をした時)



またもや、空気の読めない発言をしてしまい、後悔の渦がぐるぐると。




「すみません、今の忘れていいです」


流れる沈黙が気まずくて、失敗を取り消すかのように俺は呟いた。



「・・・いえ、そうです。高校の時の写真です」


だが、Aさんはゆっくり首を振って、小さくはにかみながら俺のもとへ歩いてきた。



彼女は写真を手にとって、愛おしそうにそれを眺めながら口を開く。



「私、前イップスになったからソフトボール止めたって話しましたよね?」

「はい、」

「・・・その話、半分本当で半分嘘です」



しっかりとそう言葉を紡ぎ出すAさん。そこから迷いとかそういうものは一切感じられない。



「石川さんからしたら、どうでも良いことかもしれないですけど.....聞いてくれますか?」



Aさんは微笑みながら言う。
その表情は笑っているのだが、どこか辛そうで悲しそうだった。

そんなAさんを見て、俺も小さく頷いた。
*

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(プロフ) - 如月明日香さん» ありがとうございますー!如月さんのコメントはどれも嬉しいものばかりですよ(_ _)ちょくのことが好きになってくれたのなら嬉しいです(笑)最後まで読んでくださりありがとうございました! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 雛*さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると凄く嬉しいです(^^;番外編の方もよろしくお願いします! (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
如月明日香(プロフ) - 完結〜〜!おめでとうございます! このお話で私は石川選手が好きになり、なんと実際に石川選手のタオルも買ったんです〜〜! それくらい、引き込まれる作品で、石川選手の魅力が詰まったお話でしたっ! 本当にこのお話大好きです!! 本当におめでとうございます! (2017年12月5日 0時) (レス) id: eed9e6c20a (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - はぁ……完結お疲れ様でした(;;) 終始ニヤニヤしっぱなしでした……´`* 素敵なお話をありがとうございました〜〜!! 番外編も楽しみにしてます◎ (2017年12月5日 0時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - わ、わ、わ…! ほんとですか(;;) ふ、ファンだなんて恐れ多いです;;ありがとうございます´`* ちょくくんファンなので、ちょくくんの作品があるのが嬉しくて…!*゚ これからも楽しみにしてますね〜◎ (2017年12月1日 14時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年10月14日 17時

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