F#51 告白大作戦

#26 ページ27

*





「んっ・・・、」

けたましく鳴り響くアラームの音で目が覚める。
体を起こしてみようとするけれど、
馬鹿みたいな体の重みと、ガンガンと打ち付けるような頭の痛みが阻止をする。




もしかして・・・、


そう考えて、体温計を手にしてみると、



「・・・38度」


案の定。
風邪を引いた、ということだ。


なんでだろう。昨日は元気だったのに...。



本当は仕事を休みたくないのだが、ここで私が行っても迷惑をかけてしまうだけ。
重い体を持ち上げて、スマホを手に取る。



・



「もしもし？Aちゃん？」

「宮下さん、すみません。今日休ませてもらっても良いですか？」

「それは全然大丈夫だけど・・・。なんかあったの？」

「ちょっと風邪を引いてしまって。・・・すみません」

「昨日のデートではしゃぎ過ぎちゃったんじゃない？」

「そうかもですね、」



そんな宮下さんの冗談に答えることができないほど頭が回らない。

とにかくゆっくり休んでね！と宮下さんは言い、通話は終わった。







もう一度、ベッドに寝転がり、天井を見つめる。



あぁ、もう・・・。今日も石川さんに会いたかったのに、



そんなことを考えたところで、今さらどうしようもないのだが。




「・・・薬飲まなきゃ。あと病院も、」



呟いてみても、一度倒してしまった体は動こうとしない。
あれもしなきゃ、これもしなきゃ、と考えているうちに、自然と瞼は落ちていた。
*

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