F#51 告白大作戦

#23 ページ24

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ジーっと繋がれている手を見つめてみる。

石川さんの手、おっきいな...。

そんなことを考えていると、じわじわと熱が集まってきてしまい、



どうしようっ、手汗かいてないかな...？



些細なことまで気になってしまうのは許してほしい。
だって好きな人とデートなんて初めてなんだから。



いい加減ずっと手ばかり見てても、恋愛初心者みたいに思われるので、余裕感を出すように周りを見渡してみる。

休日ということもあり、そこにはカップル達がたくさん。
手を繋ぎあっていて、とても楽しそうだった。



・・・あれ？もしかして、私たちも・・・



「Aさん、」

「はいっ！」

「映画、なに見ますか？」


石川さんはあの澄んだ目で私を見つめている。

そうだった。映画見るんだった。


完全に自分の世界に入り込んでしまい、石川さんを放っておいてしまった。
これは反省。



「私はなんでもいいです！」

「俺もAさんに任せようかな、と思ってたんですけど」



うーん・・・。

ポスターを眺めながら二人そろって首をかしげる。

教師と生徒のあの恋愛映画？
いやいや、さすがにそれはレベル高すぎ。

じゃあ、この漫画を実写化したヤツ？
これも好き嫌い別れるよね。



「これにしましょうか？」


そう言って石川さんが指差したのは今話題の洋画。

うん、確かに面白そう。


「いいですねっ、それにしましょう！」


了解です、と石川さんは小さく笑い、歩きだした。
もちろん手は繋いだまま。



さっきまではなんだか恥ずかしくて石川さんの一歩後ろを歩いていたけど、

今度は勇気を振り絞り隣に並んでみた。





こうすれば私たちもカップルみたいに見えるかな、






なんて願いをこめて。
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