＊こんな日常と＊ ページ44
*
「あっ、石川さん。ここはどうですか？」
雑誌をペラペラめくりながら、私は聞く。
休日の昼間。お互いの家にあがることも日常と化してきた。
今日はなんとなく次のデート先の話題になり、その辺に置いてあった雑誌をめくっているわけなのだ。
「.....あのさ、A」
石川さんは一息おいて、口を開く。
いつまで石川さんって呼ぶの？
予想外の言葉に一瞬思考回路が停止。
「はい？」
「あと敬語も」
...確かに私はまだ敬語だし、呼び方も名字のままだ。でも石川さんはわりと早い段階で私の名前を呼んでいた気がする。
「...やめた方がいいですかね？」
「まぁ。付き合ってるわけだし」
石川さんは困ったように笑う。
「わかりま.....わかったよ」
「うん。名前の方は？」
右手で私の髪撫でたり、鋤いたりする石川さん。その表情はどこか楽しそうだ。
「えと、...石川」
「いや、変わんないよ」
「ちょく」
「あだ名じゃん」
「じゃあ、マイメロ王子」
「もっと嫌なんだけど」
そんなやり取りが楽しくて、思わずプッと吹き出してしまう。それにつられて石川さんも笑いだす。
「ほら、早く」
石川さんは笑いながら、しっかり私の目を見る。
「.....なお、やくん」
小さくそう呟く。
なにこれ！？超恥ずかしい！！
名前呼んでるだけなのに、なんでこんなに恥ずかしいの？！
石川さんはただ黙ってこちらを見ている。
なにか言ってよ！
「あの...」
「もう一回言って」
「...直也くん」
「もう一回」
「直也くん」
「もう一回」
「直也くん。...って何回言うの！」
ごめん、と笑いながら謝るいしか...じゃなくて、直也くん。くくくっと下を向いて笑いを堪
えている直也くんは悔しいけれど可愛い。
けど、直也くん。それ、堪えきれてないよ。
「もうっ、直也くん笑いすぎだよ」
「ごめんごめん」
そう謝っても未だにニヤニヤは続いている。
「A、」
直也くんは私の名前を呼ぶ。
「好きだよ」
悔しいけれど、そう言う直也くんは死ぬほど格好よかった。
*
番外編第一段でしたー！
最終話更新してから順位が上がっていたので、びっくらぽんです。本当にありがとうございます！
あと二話ほど作る予定ですのでよろしくお願いします＼(_ _)
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梓(プロフ) - 如月明日香さん» ありがとうございますー！如月さんのコメントはどれも嬉しいものばかりですよ(_ _)ちょくのことが好きになってくれたのなら嬉しいです(笑)最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2017年12月5日 17時) (
レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 雛*さん» ありがとうございます！そう言ってもらえると凄く嬉しいです(^^;番外編の方もよろしくお願いします！ (2017年12月5日 17時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
如月明日香(プロフ) - 完結〜〜！おめでとうございます！ このお話で私は石川選手が好きになり、なんと実際に石川選手のタオルも買ったんです〜〜！ それくらい、引き込まれる作品で、石川選手の魅力が詰まったお話でしたっ！ 本当にこのお話大好きです！！ 本当におめでとうございます！ (2017年12月5日 0時) (レス) id: eed9e6c20a (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - はぁ……完結お疲れ様でした(；；) 終始ニヤニヤしっぱなしでした……´`* 素敵なお話をありがとうございました〜〜！！ 番外編も楽しみにしてます◎ (2017年12月5日 0時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
雛*(プロフ) - わ、わ、わ…！ ほんとですか(；；) ふ、ファンだなんて恐れ多いです；；ありがとうございます´`* ちょくくんファンなので、ちょくくんの作品があるのが嬉しくて…！*ﾟ これからも楽しみにしてますね〜◎ (2017年12月1日 14時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓 | 作成日時：2017年10月14日 17時
