第19話#ナンパ ページ21
.
入学して数日後、生徒達が学校生活に慣れ始めた頃。初めての休日である。
_街中
二「お、皆来たきた〜!」
零「少し集合時間遅れちゃった…!ごめんね!」
つ「全然大丈夫ですわ!」
花「えっと1、2…あれ?9人しかいない?」
藍「よく見たら桃がまだ来てない。…さっきメールしたんだけど既読ついてないし。」
亜「もしかしたら迷子になってるかもしれないわね。私が探してみるわ。皆は先にお店に行ってて。」
零「え、でも…。」
亜「大丈夫よ。見つけ次第すぐにむかうから。先に食べてていいわ。」
花「うーん…そこまで言うなら。席とっとくね。」
亜「ありがとう。では後ほど。」
8人は亜沙花と別れ、目的のカフェがあるショッピングモールへ向かった。
ショッピングモールに着くと、つぐみ、風、藍、零那はどうしても買いたいものがあるらしく、ニーナ、花織、華倫、呉羽の4人だけでお店へ向かった。
_亜沙花は桃猫を探して、寮までの道を歩いていた。
亜「…何処にいるのかしら。あ、あれは!?」
桃猫らしき人を見つけ、声を掛けようとした。しかしよく見ると、桃猫が泣きながら震えている。
そして桃猫の隣には彼女の腕を無理矢理引っ張る男の姿。
亜(これは…ナンパ?確か桃猫さんは男の人が苦手なはず。助けないと…!)
男「ほら、早く行こうぜ。楽しい所に連れて行ってやるからよォ。」
桃「や、やめ…!」
亜「ねぇそこのお兄さん。そんなに泣きじゃくってる子なんてやめて、私と遊ばない?」
男「ん?誰だ?」
桃「あ…亜沙花…さ…。」ガタガタ
亜沙花はその容姿と巧みな話術で、男を誘惑していく。
男「へへっ、分かった。この娘は諦めてお前にしよう。」
亜「嬉しいわ。…行きましょ。」
路地裏へ男を誘導すると、抱きしめるフリをして首筋に毒針を刺す。
男「お、おい…随分大胆だ…な…。」バタン
毒がまわり男は意識を失った。
亜沙花は桃猫の傍により、涙で濡れた頬をハンカチで拭う。
亜「大丈夫?変な事されてない?」
桃「うっ…うぅ…うわぁぁぁん!!」
桃猫は泣きながら亜沙花に抱き着く。
亜「も、桃猫さん!?」
桃「すっごい怖かった…!亜沙花ちゃんは命の恩人だよ!」
亜「い、命だなんて…。けど良かったわ。まだ何もされて無くて。」
桃「うぅ…ありがと…。」
桃猫は泣きながら「…亜沙花ちゃん大好き」と言い微笑む。亜沙花はその言葉に少し驚いたが、すぐに微笑み返した。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ