文豪から愛しい貴女へ II

浴衣 <中原中也> ページ37

林檎飴さんリクエスト

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今日は夏祭り

「……お、来たか」

「お待たせしました！」

そう言って中也さんを見る

浴衣にいつもの帽子

でも違和感を全く感じない

カッコいい

「に、似合ってるじゃねェか」

「あ、ありがとうございます……」

思わず団扇で顔を隠すと手を握られる

「離れたら危ねェからな」

「……はい」

そう言いながら二人で祭りを楽しむ

「射的か」

「普段ある意味射的をしてますけど……あ」

綺麗な簪の入った箱が目に入る

「……じいさん、一回何円だ？」

「五百円で五発だよ」

「やる」

「え」

そう言って中也さんがコルクを詰めて銃を構えて引き金を引く

と、一発で落ちた

「すごい！」

そう言うと中也さんは少し笑った

「他は？」

「……いいんですか？」

「なんでも取ってやるよ」

そう言われて残り四つ全て取ってもらった

「お上手ですね！」

「いや、少し異能を使ったんだよ」

そう言われて少し笑う

「大人気ないですね」

「ま、童心に帰れるのが祭りだと思うぜ」

そう言って中也さんが簪を私の髪につける

「似合ってる」

そう言われて時、花火が打ち上がった

「しまった、もうそんな時間かよ」

「いいじゃないですか、静かな場所じゃなくても……」

中也さんが隣にいるなら何処で花火を見ても嬉しいです

その言葉は、花火に打ち消された

でも、握られた手が少し力強くなったのは勘違いじゃないと思う

「また、来年も見ような」

「はい！必ず」

そう言って笑いあった







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中「リクエストありがとうな。この後も色々露店まわろうな」

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