文豪から愛しい貴女へ II

雨のち虹霓 <太宰治> ページ32

黒糖。さんリクエスト

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雨の中、私は走っていた

恋人の太宰さんとともに任務に行っていたが太宰さんが何処かに攫われてしまった

最初は冗談だと思っていたが脅迫の写真がメールに送られてきた

殴られていて太宰さんは睨んでいた

別人のように見えたけど確かに太宰さんだった

指定された場所へ忍び足で入る

異能を使うべきかもしれないけど……危険があるからそのまま入っていく

「失礼」

そう言って振り返った男達に催涙弾を投げて走る

銃声が聞こえた場所には煙幕を投げる

敦くんの言葉を借りるなら武装探偵社は殺しをしないから

「太宰さん！」

雨に濡れて寒いが太宰さんの元に駆け寄ると太宰さんがハッとした顔で

「Aちゃん！」

叫んだと同時に後ろから銃声が聞こえた

でもそれと同時に温もりを感じた

目を開けると

「太宰さんっ！」

太宰さんが私を抱きしめて避けてくれた

……？

「縛られてたのでは？」

「あれくらい十秒あれば出れるよ」

そう言って悪戯少年のように舌を出して縄を見せる太宰さん

「君が来てくれたのは嬉しいけど、この状況じゃあ二人では無理かな？」

「私がなんとかします！」

宣言通り、私は国木田さんに教わった護身術で敵を押さえつけて太宰さんが縄で丁重に縛る

「成功ですね！っくしゅん」

「大丈夫かい？ほら、私の外套を羽織り給え」

そう言って太宰さんが外套を私の頭から被せ

「ありがとう。君が来なかったら少し危なかったかもしれないねぇ」

と言って頭を撫でてくれた

嬉しくて満面の笑みで

「ありがとうございます！」

と言うと太宰さんも微笑みながら

「帰ろうか」

と言って二人で手を繋いで帰った









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太「リクエストありがとう。雨に濡れながら助けに来てくれてありがとう」

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