文豪から愛しい貴女へ II

命に代えて <森鴎外> ページ19

りんさんリクエスト

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「鴎外さんが？」

「はい、行ってあげてください」

そう言われて頷きながら鴎外さんの部屋へ行く

苦しげに呼吸をしながら寝ている

「……共喰い……か」

武装探偵社が襲ってくるかもしれない

私が、守らないと

そう思ってナイフを懐から取り出す

これでも私はプロの暗殺者

命に代えても守る

この子と貴方と私で生きる為に

だから、絶対に目覚めなさい

そう思いながら横の椅子に座り手を握る

まだ暖かい

「……絶対に目覚めなかったら、貴女が目覚めなかったら私も後を追いますからね」

「それは困るなあ」

そう言って苦笑する彼が見える

目の前の彼は苦しげに眠っている

早く、早く目覚めてそう言って欲しい

ぎゅっと手を強く握りしめてから頰に触れる

「起きてください、ね？」

そう言ってそっとキスをする

「任務、必ず無傷で帰ってきてくれ」

そう言って毎度任務の度にしてくれるおまじない

私もしますから、無事に帰ってきてくださいよ？







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森「リクエストありがとう。君のおまじないのおかげで少し怪我はしたけど戻ってこれたよ」

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