156《KH》 ページ10
「事務所のキッチンでリョウクとソンミンと３人でワイン飲みながらお料理してたの」
「・・・・」
「たぶんさ、リョウクだって自分に向けられてるものに気付かないわけないじゃない」
「ん。」
「料理とリョウク・・・ダメなワードでしょ私にとって、きっと限界だった。私が・・・」
思わずヌナを見る。
起き上がったままのオレを見上げたヌナが言った
限界だった私が・・・って。
「リョウクの隣で声を聞きながら気配を感じて、
手が触れたり笑顔で覗き込まれたり、肩が触れ合ったり気持ちがぐちゃぐちゃになって・・・
呼吸が苦しくなって立っていられなくなってリョウクにしがみつくように倒れたの」
「・・・・・」
「そこまでは覚えてる。瞬間リョウクもすごく驚いていて・・・でもしっかり受け止めてくれた。
リョウクね微笑みながら何度も何度もうなずいて、ぎゅって抱きしめてくれた。
それが本当にうれしくて安心できてね・・・・」
「で、、どうなった」
もう一度ヌナを見下ろす
「うん、あとからソンミンが教えてくれた。リョウクに抱き着いたまま泣きじゃくって、、
逢いたかったって何度も言ってたって。そして私からキスしたって・・・
リョウクを見上げてスキなのって気を失ったって、そう教えてくれた。」
目を閉じ大きく深く呼吸をする。
「ｷｭﾋｮﾅ・・・」
「ん、大丈夫だから全部話して」
「ん。それからよ、リョウクが人一倍スキンシップが激しくなったのは・・・
でもねリョウクは何も聞いてこなかった。
偶然wineBAR会って酔った私を送ってくれた時まで何もね・・・
私はそれ以降もリョウクとの距離が複雑で困らせちゃうこともあったんだけど
リョウクはそんな私の気持ちが周りに気付かれないようにって、ああいう接し方をしてくれてたんだと思う。本人には聞けないしソンミンは笑ってるだけだったから真相はわからないけど」
ん、きっとそう。
何も聞かずにそういうことできるのがリョウガの男らしいことろ。
そんな全部を包み込んで見守るのがソンミニヒョンの優しさ。
「救われてた。」
何も知らないのはオレの方。
オレは何も知らない・・・
や、知ろうともしなかったのかもしれない。
自分の事ばかりだ。
くっそ最悪。
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作者名：myu
| 作成日時：2018年5月20日 18時
