157《KH》 ページ11
オレなら黙ってなんていられない。
何かあるって気付いていて
それなりに仕掛けたリョウガ・・・・
そこまではオレも同じことする。
でも倒れたり抱きしめられたり
逢いたかったって泣き出したり
ましてキスなんて……。
なにも聞かないで見守るなんて
オレには出来ない。
出来るわけない。
聞きたくてしょうがないはず。
や、なにがなんでも聞き出す
きっと。
なにもなかったように接して一番最高の形で
ヌナを見守り続けてたリョウガ……。
やっぱりオマエかっこいいよ。
でも、、、、、
ヌナの手をギュって握り締める。
ｸｽって笑うヌナにゆっくり近づいてキスをした。
じっとオレを見つめるヌナ。
「ごめんオレ、、やっぱり、ん、ごめん」
「ｷｭﾋｮﾅ」
「ん、でもさオレ真面目に本気、真剣にヌナが好き。
好きだったしこれからもその思いは変わらない」
「変わらない、、なんて」
「うんん。変わらない。変わりようがない。ヌナしか見えないから・・・今更なんだよ。
今更なにを聞いてもなにを聞かされても変わりようがない。」
「複雑だよ？色々と」
「数学得意なの知ってんじゃん。複雑解くの好きなの。なんなら複雑な方が得意。」
「公式通りにはいかないよ？」
「かかってきなさい」
「キュヒョナ・・・」
「好きだから諦めないし誰にも渡さないから。
あの頃はそばにいたいって思いながら物理的な距離だけ大切にしすぎて身動き取れなかった。
そのくせ近づきすぎると壊してしまいそうで離れてみたり・・・
ヌナからしたらガキだったオレだけど今ならわかる。」
「・・・・・」
「そんなオレだったから逃げるしかなかったよね」
「そんなふうに言わないでって言ったよね？」
「うん聞いたけど、だけど事実。自分だけじゃなくてヌナの事も身動き取れないようにしてた。」
見上げる瞳からこぼれる涙をキレイなんて思えるなんてね。
オレの事を思って流すヌナの涙・・・
ゆっくりキスをする。
「ｷｭﾋｮﾅ・・・・」
愛しい女の唇から甘く漏れる自分の名前はオレでいいんだって思わせてくれる
このままって思うけど。
や、そのつもりだったけど。
この期に及んでってまた言われるの間違いないけど。
静かにヌナから離れる。
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作者名：myu
| 作成日時：2018年5月20日 18時
