【川西賢志郎】キレイな心。 (ページ11)

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収録終わりページ11

「俺のミスト、やるやん！」

楽屋で水田が寝そべりながら俺に自慢げにしてきた。

もちろん、昨日のAちゃんとの話で持ち切りな俺たち。

「お前のミストのせいで朝まで車ん中、臭なってたわ」

「でも俺のミストのおかげで化粧品会社で働いてるって分かったんやん、感謝やろそこは」

「そこは、まあな。てかお前、あんなミストなんで持ってるん？」

「なんでって、ベローミストやん！消臭効果もあるし安いし匂い一日取れへんし」

「それ、どこで買った？」

「ライムレーンでしか売ってないで、あとはネットとか。俺は駅前の店舗」

「あ、お前そこ行ったことあるんや、そこやで。Aちゃんの働いてるところ」

「え？！？Aちゃん、ライムレーンで働いてるん？！」

「なんや、知ってんのか」

「知ってるも何もライムレーンなんかどこでもあるやん、有名やし。ライムレーンの店員さんキレイな人しかおらんで。可愛い人もおるしバストなんかもう...」

水田の変態話は置いとくとして、ライムレーンは有名なブランドだった。

疎かった俺の昨日の反応は、失礼だったと今になってまた情けなくなる。

「お前、連絡先聞いてない時点でちょっと引かれたやろ」

水田が珍しくマイナスな発言をぶつけてきた。正論だ。

「だって一瞬で帰るんやもん。そんなムリヤリ止められんやろ。夜遅かったし」

「だったら、もうライムレーンに直接行くことやな」

マイナス発言を残したと思ったら、次は大胆な行動の提案をしてきた。

正直、俺も行動に移そうとは思っていたから水田の提案には嫌な顔をしなかった。

「でも、女の子のお店に俺が1人で行ったら怪しいやつみたいにならんか？」

水田の提案に俺の弱気な気持ちが勝ってしまった。

「俺やって可愛い女の子目当てに1人で行ったんやから大丈夫やって、ウジウジするんなら今日の収録終わったら一緒に着いてくわ」

今日の水田は絶好調。次々と話を勧めてくれる。

今日の収録は早めに終わる、すぐ家に帰りたい水田からしたらかなり嬉しいはずなのに

こういう時はここぞと言わんばかりに手を貸してくれる。

良い相方持ったわ。そう心の中でつぶやき収録場に向かった。