【川西賢志郎】キレイな心。 (ページ1)

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質問ページ1

「ハハハッさすが和牛さんですね！ところでお２人は運命の出会いはあると思いますか？」

「そうですね...あるんだとすれば来るの遅いなと思ってます。料理は僕が作るんで料理はいいとして... 」

「さすが水田さん！こだわりが凄いですね！川西さんはどうですか？」

...

「... あ！！！えっと.. 」

あかん。ボーっとしよった。

有り難いことに最近は仕事が増え疲れがたまっている。

一昨日は収録。昨日はCM撮影。

そして今日は映画の舞台挨拶。

主役というわけではないが、脇役として水田と友情出演させてもらっている。

映画の題名は「キレイな心。」

運命の出会いという正直ベタな内容だ。

そのことからかアナウンサーの方が水田に運命がどーのこーの言っていた。

さすが俺の相方。

みんな満場一致の笑いを取るほどのボケをかましていた。

俺もおもろいこと言わな...とばかりその考えに集中していて質問を蔑ろにするところだった。

「そうですね～～... 運命でもあればいいんですけどね ...あるならきっともうどこかで出会っていると思います... 今頃結婚していて帰ったら奥さんが待っている...ああ。いいですね」

ボケをかますどころか俺の理想を面白さの欠片もなくそのまま伝えてしまった。

「ああ～～ハハ」

案の定、微妙な空気になってしまった。

「お前にあるのは酒とれんこんチップスやもんな！まあ、帰って今日も２人で飲もうや！」

お客の反応を見て水田がすかさず支えてくれた。

「せやな！俺にはお前しかおらん！」

ありがとう。水田。俺、ほんまにお前しかおらんわ...

「和牛のお２人は本当に仲がいいですね！それでは...」

特に面白いコメントもできず舞台挨拶は終わった。

「じゃあ、賢志郎！明日７時３０分な！飲みすぎんなよ！」

楽屋で休むよりも家でのんびりとしたい派の水田はそそくさと準備を終え、楽屋を出ていった。

「おう！じゃあな！」

少し目を微笑ませた水田の表情はドアが閉まるとともに見えなくなっていった。

今日はうまいことも言えなかったからか少し気が沈まる。

本数は少ないけどいつもと違う電車に乗って帰ろう。

準備をして俺も楽屋を出た。