訳あり生徒会 (ページ31)

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勝利side ページ31

「その代償って？」

ゴクンと息を呑んだ聡が真剣な目で見てくる。

「記憶。助かった代わりに聡の記憶からは俺たちが消えた」

「待って、、なら、何で、深雪だけ残ってるの？」

「それは俺にも分からない」

そう。俺たちのことは忘れたのに、深雪のことは覚えていた。

その後、聡の両親の意見を尊重して、深雪と聡は隣の学校に転校した。

きっと、何も覚えてない聡に取って深雪が心の支えになると判断したんだろう。

「聡が転校した後も悪夢は終わることは無かった」

傷ついた香奈が泣きながら俺のところに来た。

正直な話、チャンスだと思った。俺の初恋だったから。

中島には負けたくなかった。勢いで香奈に告白した。

これが失敗だったんだ。ここで、我慢してれば良かったのに。

俺の言葉に、驚いた顔をした香奈もだんだんと落ち着いて来ると

何も言わず、首を横に振った。

当たり前だ。付き合ってる人が居るのに。

それでも、諦められなかった俺は、無理矢理香奈にキスをした。

中島に取って俺は幼なじみから、彼女を茶化す男に変わったと思う。

やめないといけないのに。諦められず、ズルズルと引きづってる。