訳あり生徒会 (ページ21)

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健人Side ページ21

屋上のドアを開けると、眩しい光の中フェンスのところに誰か居る。

と言っても一人しか居ないけど。

「お待たせ」

ゆっくり近づいて隣に並ぶ。グランドを見下ろす横顔はいつ見ても綺麗だ。

後ろから肩に頭を乗せると、甘ったるい匂いが鼻をくすぐる。

「どうしたの？」

顔は見えないけど、透き通った声は嬉しそうだった。

「何でもない」

「じゃあ、甘えん坊？」

手を口に当ててクスリと笑った。俺のことは何でもお見通しか。

「余裕だね。俺だけ溺れていく」

「そんなこと無いよ」

とか言いつつ、顔は笑ってる。悔しいな。

頭を退けて、抱きしめる。俺より身長は低く、包む形になる。

「もっと、、俺のことを見てよ。

他の人間なんて考えられないくらい。」

「見てるよ。ずっと」

向きを変えて俺を見上げて微笑む。

「そういう意味じゃない」

綺麗な髪を耳にかけて、覆いかぶさるようにキスをする。

愛してる。だから、もっと俺のことを見てよ。