幼なじみ10 ページ32
落ち着いて話がしたいな。そう思って街を歩いているとオシャレな喫茶店を見つける。
もう、ここで良いや。幸いなことに店内は空いていて2階のテラス席に案内された。
「ご注文は?」
「アイスコーヒーで」
「烏龍茶」
ハーフの店員さんの姿が見えなくなると健ちゃんが頭を下げた。
「ごめん(。-人-。)」
「良いよ、もう」
「俺、あいつと何一つ変わらないな。情けない」
「あいつって?」
「菊池風磨。あの子のお兄さんを名乗ってる大学生」
一瞬でピンと来た。しかし、健ちゃんと彼が知り合いだとは。
それよりも健ちゃんの言い方が引っ掛かる。まるで目の敵にしてるみたい。
「何があったの?」
「あいつ、、風磨は俺の後輩なんだ。同じサークルで知り合った。」
「それで?」
健ちゃんの悔しそうな顔の意味が分からないし、早く知りたい。
「あぁ、わりぃ。それで俺には彼女が居たんだ。
その彼女と言うのが今のあいつの彼女なんだ」
「それって、、」
まさか、、嫌な考えが頭を横切る。
「奪われたんだよ、、あいつに」
珍しい声を荒げて机をたたき付けた。
「ごめん、、」
「自分は絶対に風磨みたいにならない。そう誓ったはずなのに」
「、、ねぇ、健ちゃん」
「ん?」
「美咲の彼氏が目を覚ました」
「そっか、、この気持ー」
「俺、絶対に諦めないから。もう逃げない。
彼氏が居ようが関係ない。美咲を手に入れる。」
「眩しいな。勝利は。それなら俺も負けない」
「今から俺と健ちゃんは従兄弟じゃないよ」
「あぁ、ライバルだろ」
夕日に照らされる健ちゃんの顔は強くてかっこよかった。
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作者名:gyuutanlove | 作成日時:2017年5月28日 11時