罪と嘘 (ページ2)

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壁にかかっている時計の針は１２時30分を指している。

担当の授業もなく、クーラーの効いた涼しい職員室で過ごす。

ピロリン。パソコンの横の携帯が震えた。

‘来て’ シンプルに一言だけ打たれてる。

ハァー、大袈裟にため息をついて立ち上がる。

「菊池先生？どうかなさいました？」

後ろを振り向くと、坊主頭の先生が首を傾げてる。

「ちょっと考え事を」

「何かあったら相談に乗りますよ」

「じゃあ、とりあえず、廊下にクーラーつけてください」

「それは無理です」

「ですよねー」

腹を抱えて笑ってる先生を尻目に職員室のドアを開ける。

廊下に出ると職員室の涼しさが嘘みたいに暑い(ι´О`ゞ)。

あ～、授業出ずに、ずっと職員室に引きこもってようかな。

そんな馬鹿なことを考えながら、階段を上がる。

やっと三階についた。この時期になると階段を上がるだけで汗をかく。

立入禁止と書かれたコーンが置いてある。

文字通り、ここは特別な人間しか入ることが出来ない。

それは俺も同じ。でも、呼ばれたから、関係ありません。

重く閉ざされた扉をノックする。

「菊池先生に教えてもらうから良いよ」

ドアを開けるなり、眼鏡をかけた真面目そうなお兄さんに伝える中島。

「でも、、」

「うるさい。首にするよ」

中島の言葉で罰の悪そうな顔で部屋を出ていく。

「良いのか？」

「良いよ、それより、お腹空いた。購買で何か買ってきて」

「はいはい」

中島に何を言っても無駄なのは分かりきってる。

反論はしずに、大人しく財布を持って廊下に出る。