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てってれー ページ49

「A、ちゃん?ああ、Aちゃんか」

走ってきた誰かが私だと分かった途端、テルが初めて会ったときの様な、爽やかな笑みを浮かべる。
だがそんなテルに、私は蔑むような視線を浴びせる。
私に軽蔑されていると分かったテルは、表情を大きく歪ませた。
そんな奴には構わず、私はモブ君の方に駆け寄る。

「モブ君!大丈夫!?」
「あれ、Aさん。何でここに…?」
「たまたま通り掛かって」

近くで見ると、モブ君の身体はとても傷付いていた。
私よりも白く、柔らかそうな肌に、たくさんの擦り傷ができている。
ほんのりと血が滲んでいる箇所もあった。
痛々しいモブ君の身体を見ながら、背負っている鞄の中から水筒を取りだし、蓋を開ける。

「ちょっと染みるかもしれないけど…」

お茶を血が出ている箇所にかけ、綺麗に洗い流す。
そしてポケットの中から黄色のハンカチを取り出し、血が出ているところに優しくあてる。

「あ、ハンカチ汚れちゃ…」
「いーのいーの。ちょっとじっとしてて………よし、これでおっけー!でも、ハンカチはまだ持ってて。血が出たときにそれで拭いて」
「でも…」
「そんなに謙遜しないでよ!ハンカチより、モブ君の怪我のことの方が大切なんだから」

パアッと顔を輝かせるモブ君。
か、可愛い…!

「ありがとう、Aさん」
「そろそろ終わったかい?」

あからさまに不機嫌な態度で、こっちに来るテル。

「早く続きが始めたいんだけど」
「続きって何の続き?」
「はあ?勝負のことに決まってるじゃないか」
「あれが勝負?ジョークにしては寒すぎだよ」
「どういうことだよ」

今私と喋っているテルは、さっき私をナンパしたときとは違い、まるで別人のようだった。
その圧倒的な気迫に気圧されそうになるが、勇気を振り絞り、私は言葉を続ける。

「だから、あれは勝負じゃないって言ってんの。あれは勝負なんかじゃない。ただあんたが自分のためだけに、モブ君に暴力を振るってるだけだ。モブ君の意思なんか関係無く、ただ、自分のために」

普段は絶対にこんなことは言えない、気弱な私を突き動かしているのは、こいつ対する怒りの感情だ。
モブ君を傷付けたこと対しての。

私は、とても口調が荒々しくなるほど憤慨していた。

男前なのです→←大好きだよねこのネタ



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設定タグ:モブサイコ100 , 小説   
作品ジャンル:アニメ
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はむめろん(プロフ) - 花松愛し隊さん» コメントありがとうございます!こちらもフレンド登録しておきますね!本当に励みになります……これからも頑張りますね!! (2016年11月10日 21時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
花松愛し隊(プロフ) - 枝豆で笑いました、、最近モブサイにはまって霊幻さんにきゅんきゅんしておりますははは。フレ申させて頂きました!これからも頑張って下さいね、 (2016年11月10日 19時) (レス) id: 6badd87d48 (このIDを非表示/違反報告)
はむめろん(プロフ) - sayaka_sk_さん» こちらこそありがとうございます!本当に嬉しいです…文章も絵もまだまだですが、これからも精進していく所存ですので、何卒よろしくお願いします(^▽^) (2016年11月6日 20時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
sayaka_sk_(プロフ) - 夢主ちゃんすごいかわいいし絵も旨いしストーリーも最高すぎて…本当最高の作品をありがとうございます!。゚(゚^o^゚)゚。 (2016年11月6日 19時) (レス) id: ab607ac85b (このIDを非表示/違反報告)
はむめろん(プロフ) - 夕藍さん» ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます…… (2016年10月29日 12時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はむめろん | 作成日時:2016年9月7日 0時

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