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やったね ページ44

「僕は黒酢中二年の花沢輝気。君は?」

爽やかな笑みを浮かべながら、彼は私にそう尋ねた。

「私は塩中二年、田中Aと申します。先程はありがとうございました。花沢さん」

私たちは今、何故だか二人で町中を歩いていた。
さっき、助けてもらってから私が唖然としていると「さあ、行こうか」なんて言われたのだ。
というわけで、現在至るわけだが。
彼は私にぴったりと寄り添って歩いているため、周りからは恋人同士だと思われているだろう。
彼は嫌でも目を引く華やかな容姿のため、たくさんの視線を感じる。
特に女子の!
「えー、あの子が彼女なの〜?小学生じゃん」なんて声が聞こえてくる。
はいはい、どうせ私は身長150cmもないですよ!!
もう帰りたい…

「Aちゃんか。僕のことはテルって呼んでくれ」

そう言って、彼はまた爽やかに微笑む。
何、これって俗に言うナンパってやつか?

「テ、テル?」

人生初のナンパに戸惑いながらも、彼の名前を呼ぶ。

「そんなに緊張しなくていいよ。僕たち同級生だし、タメ口でいいから」
「あ、う、うん。分かった」

またもや私は戸惑ってしまう。
それに対し、テルは余裕そうに私に話しかける。
くそう、こいつ相当女慣れしてやがるな。

「Aちゃん、何処か行きたいところとかない?」
「いや、特にな……あ」
「どうしたの?」

ふと、さっきのことを思い出した。
テルは、私のことを浮かせた…

「あのさ、テルって超能力者なの?」

ストレートに疑問をぶつける。

「ああ、そうだよ。僕は超能力者だ」

テルは、自信に満ち溢れた表情でそう答えた。
あの子とは正反対だな…
私は脳裏に、控えめで、地味な、ごく普通の超能力者の男の子を思い浮かべる。

「やけに落ち着いてるね。普通は皆、戸惑う筈なのに」
「まあちょっといろい」

ピロロピーン

私の言葉を遮るように、テルのスマホの着信音が鳴った。
テルはスマホの画面を見ると、嫌そうに顔を歪め、チッと舌打ちした。

「ごめんねAちゃん。ちょっと急用が入っちゃって、今すぐ行かなきゃいけないんだ」
「うん、分かった」

正直言って、ホッとした。
この人と二人きりで、町中練り歩くとかいろいろ耐えられない。
すると、テルは鞄から紙切れを取り出し、私に差し出した。

「これ僕の電話番号とLIMEのID。登録しておいてね」

テルはそう言うと、尋常じゃないスピードで何処かへ去っていった。
私はその紙切れを捨てようかと迷ったが、可哀想なのでとっておくことにした。

お知らせというか雑談というか→←腸が弾け飛ぶとかいう血生臭い比喩



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設定タグ:モブサイコ100 , 小説   
作品ジャンル:アニメ
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はむめろん(プロフ) - 花松愛し隊さん» コメントありがとうございます!こちらもフレンド登録しておきますね!本当に励みになります……これからも頑張りますね!! (2016年11月10日 21時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
花松愛し隊(プロフ) - 枝豆で笑いました、、最近モブサイにはまって霊幻さんにきゅんきゅんしておりますははは。フレ申させて頂きました!これからも頑張って下さいね、 (2016年11月10日 19時) (レス) id: 6badd87d48 (このIDを非表示/違反報告)
はむめろん(プロフ) - sayaka_sk_さん» こちらこそありがとうございます!本当に嬉しいです…文章も絵もまだまだですが、これからも精進していく所存ですので、何卒よろしくお願いします(^▽^) (2016年11月6日 20時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
sayaka_sk_(プロフ) - 夢主ちゃんすごいかわいいし絵も旨いしストーリーも最高すぎて…本当最高の作品をありがとうございます!。゚(゚^o^゚)゚。 (2016年11月6日 19時) (レス) id: ab607ac85b (このIDを非表示/違反報告)
はむめろん(プロフ) - 夕藍さん» ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます…… (2016年10月29日 12時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はむめろん | 作成日時:2016年9月7日 0時

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