存在が空気 ページ41
「はあ…ありがとうな、お嬢ちゃん」
恍惚の表情を浮かべて、おじいさんがお礼を言う。
まさかおじいさんってマ……げほん、控えておくことにしよう。
「それでお嬢ちゃんの力についてなんじゃが……」
含みをもたせた表情のおじいさんを見て、おじいさん以外の三人が固唾を飲む。
「塩のせいじゃ。清め塩を身体全体に浴び、しかも体内にもいれたお嬢ちゃんは、とても清められた存在になったんじゃ。だから悪霊にもとり憑かれないし、悪霊の攻撃も弾くのじゃ。他にも、こんな話をおじいさんから聞いたことがあるんじゃ」
そう言うとおじいさんは、おじいさんから聞いたという話を語り始めた。
ちなみに師匠は、いつの間にか寝ていた。
「この塩は、先祖代々清められてきた由緒正しき塩で、江戸時代に死んでしまったとある侍の魂を清めるために、うちの先祖がつくったのが始まりなんじゃ。この塩はとても強力だったから、いろんな輩がこの塩を奪いに来たそうでな。じゃからこの塩に何らかの術を施し、敵意があったり、穢れていたりするものを弾くようにしたんじゃ。年々その術は薄れていっておるから、儂でも触れたんじゃが、完全に術がとけたというわけではなかろう。じゃが、そこの学ランが使える超能力くらいしか弾けん」
はあ、長文乙です。
一応理解したのはしたけど…
それよりおじいさん、さっき地味に自虐発言してなかった?
まあそれはおいといて!
「何で僕が超能力者だって分かったんですか?」
「ん?ああ、そんなの一目見れば分かるわい。超能力者には超能力者のオーラがあるんじゃよ。だからお前さんが強いこともすぐに分かったぞ」
オーラか…
私は隣に座っているモブ君に目をやる。
勿論、オーラなんて見えない。
そして師匠のオーラは絶対に見えない。
「さっきも少し言ったが、この敵意のあるものや、穢れたものを弾くというのは、悪霊や超能力に限るからな。昔は生身の人間でも弾いておったんじゃが、なんせ四百年も前のことじゃからのう。もう一回同じ術をかけるということは無理なんじゃ」
「そうなんですか…」
ということは、暴力なんかには無効ってことか。
よく考えたらこの力、悪霊や超能力だけに有効ってだけで、そんなに使えないじゃん……
「じゃあ今日はいろいろとありがとうございました。いろんなことが分かってすっきりしました」
「おお、それは何より」
「さようなら」
私とモブ君はおじいさんに別れを告げ、師匠を叩き起こし、それぞれの帰路についた。
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はむめろん(プロフ) - 花松愛し隊さん» コメントありがとうございます!こちらもフレンド登録しておきますね!本当に励みになります……これからも頑張りますね!! (2016年11月10日 21時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
花松愛し隊(プロフ) - 枝豆で笑いました、、最近モブサイにはまって霊幻さんにきゅんきゅんしておりますははは。フレ申させて頂きました!これからも頑張って下さいね、 (2016年11月10日 19時) (レス) id: 6badd87d48 (このIDを非表示/違反報告)
はむめろん(プロフ) - sayaka_sk_さん» こちらこそありがとうございます!本当に嬉しいです…文章も絵もまだまだですが、これからも精進していく所存ですので、何卒よろしくお願いします(^▽^) (2016年11月6日 20時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
sayaka_sk_(プロフ) - 夢主ちゃんすごいかわいいし絵も旨いしストーリーも最高すぎて…本当最高の作品をありがとうございます!。゚(゚^o^゚)゚。 (2016年11月6日 19時) (レス) id: ab607ac85b (このIDを非表示/違反報告)
はむめろん(プロフ) - 夕藍さん» ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます…… (2016年10月29日 12時) (レス) id: 296516587c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はむめろん | 作成日時:2016年9月7日 0時