【モブサイコ100】はやく私の平凡を返せ！！

女装してるからセーフ ページ25

「どう?霊の気配感じる?」

「まあ、うっすらと…」


私たちは今、チヒロさんとマリさんに校内を案内してもらっている。

案内というか、霊を捜してるんだけど。


でも一向にモブ君は気配を感じないらしく、ただぶらぶらと校内を歩いていた。


「ええー、まだいないのー?」

チヒロさんが、もう五回目になる質問を言うと、モブ君が歩みを止めた。


「霊が近くにいます」

「キャーーーーーー!!!!」


すると、前方の女子トイレから悲鳴が聞こえてきた。

急いで駆け出すモブ君とチヒロさんとマリさん。


えっ、ちょっと私は!?

そう思って走り出そうとすると、運が悪いことに足元がふらつき、転んでしまった。


「うわ、痛てて」

「大丈夫?」

「うん、大丈夫……………!?」


何!?今のねっとりした気持ち悪い声は!!!


「どうやら霊能力者が来ているようだな。ま、こういうときは頭を使わないとな」


そう言って近づいてくる……恐らく、悪霊。

逃げようと思っているのに、恐怖で足がすくんで動けないし、声も出ない。

憶測だけど、こいつは私にとり憑くつもりだろう。

だけどモブ君もいないし、一体どうすれば……


あっ、そうだ。この前みたいに蹴れば……

そう考え付いたのももう遅く、悪霊はもうすぐ近くまで近づいてきていた。


さようなら、私の14年間…

こういうときは走馬灯というものが見えるらしい。

無論、私にも見えた。

だが、私が見たものはゴミにも等しい、とても走馬灯とは呼べない下らないものだった。

くそっ…最後くらいいいもん見せろよなっ……


そう覚悟を決めたとき。






「うぎゃああぁぁああああ!!」


この声は……霊の叫び声?

よく見ると、悪霊は向こうの方へ飛んでいったようだ。

まただ、霊が私にとり憑こうとすると弾き飛ばされて……


「Aさん、今の声は!?」


すると、モブ君たちがトイレから出てきた。


「ああっ、モブ君!今悪霊が……あれ?」

そう言って指差そうとすると、悪霊の姿はすでになかった。


「本当に居たみたいだね、気配がまだ残ってる……あれ、さっきのは悪霊の声だよね」

「うん」


確認するまでもないだろう。

私は断じてあんな気持ち悪い声はしていない。


「何で叫んでたの?」

「いや、霊が私にとり憑こうとしたら、また弾き飛ばされて…」

「やっぱり不思議だなあ」

「と、とりあえず、早く除霊してちょうだい!」

「分かりました」


そうしてまた、霊の探索が再開した。
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題名は察して

女子ってすごい→←そこを強調されたら耐えられない

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