【モブサイコ100】はやく私の平凡を返せ！！

吐き気を催す ページ22

家に帰って漫画を読んでいると、電話の着信音が聞こえた。

もー誰だよ…………げっ、師匠からじゃん。めんどくさそう…


「はいもしもし」

「おいA、今すぐ相談所に来いよ。じゃあな!」

「え、ちょ!」


だめだ、もう切られてる…

私に拒否権というものはないのか……??




「で、何で私がこんな格好しなきゃいけないんですか」

私は今、何処かの学校の制服を着させられ、何処かへ向かって歩いている。


「そりゃ、セントハイソ女学院に行くからな。ここは女のお前の出番だろ」

「私の出番って…」


この格好恥ずかしい…

他校の制服着るのってこんなに緊張するんだ。

しかも、セントハイソ女学院ってすっごいお嬢様校じゃん…


「師匠、僕もうこの格好やめたいです…」

「仕方ねえだろ。許可が取れなかったんだから」


実はそういう二人も制服を着て、女装している。


もうモブ君は本当に可愛い。

おさげが超絶似合っている。

それに加え、モブ君のスカートが拝めるなんて最高だ。

ちゃんと写真も撮ってある。


師匠はというと、大変残念なことになっている。

師匠のせいで、周囲の視線がかなり痛い……



「お、ここだ」

師匠の指差す先には、いかにもお嬢様が通ってそうな学校があった。

まあ実際通ってるわけだけど。


「依頼人とは屋上で待ち合わせだからな」

「はい、分かりました」


モブ君がそう言い、校門を潜ろうとすると


「お前何してるんだ!」

と、警備員が叫んだ。


「え〜なんのことですかぁ〜?」

うっ気持ち悪い…吐き気を催す声だ……


「こちら校門前、不審者が現れた」

まあこうなるわな…

モブ君も心なしかホッとした顔をしている。


「あー危なかったね、君たち。さあ、早く変態から離れて」


私は警備員さんの言う通り、校門をくぐった。

こんな変態と一緒にいたくない。



あのさ、少し気になったんだけどさっき警備員さん、君たちって…


「ほら、君もだよ」

「え?」


モブ君が素っ頓狂な声をあげる。


「不審者は、我々が対応するから、ほら」


まだ戸惑うモブ君。

モブ君を後押しするように、師匠は「行け」と手で合図をする。



ということで、私とモブ君は学校への侵入に成功した。

モブ君にはだいぶ気の毒だけど…私一人じゃ何もできないし、何より可愛いし、頑張ってもらおうと思う。

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