【モブサイコ100】はやく私の平凡を返せ！！

優しい私 ページ18

「一つ気になることがあるんだけど」

「何?」

「霊ってさ、蹴ったり殴ったりできて、それで除霊されちゃうもんなの?しかもその霊、私に見えてたし」


うーん、と悩むモブ君。


「普通は見えないけど、悪さをする悪霊は皆に見えるんだ」

「ということは、さっきのは悪霊なんだ」

「でも、悪霊も一応霊だから、触れれないと思うし、蹴ったら除霊できるっていうのは…」

「やっぱり分からないんだ…そうだ、師匠は何か知ってますか?」

「お、俺?」


少し戸惑いの表情を見せる師匠。


「んー、それは俺にもちょっと分からないなー」

「えー師匠、二十一世紀の新星じゃなかったんですか?」

「ほら、俺の力だったら、蹴る必要とかないから分かんないんだよ」


明らかに動揺している師匠。

師弟揃って、顔に出やすいんだな…


「でもとりあえず、Aさんには何かしらの霊力があるんじゃ…」

「そうだね、今日はじめて知ったよ」

「お前見込みあるぞ。訓練すれば、何か使えるかもしれないな」

「じゃあ、少し頑張ってみます。あ、モブ君、そういえば強い悪霊倒しに行かなくていいの?」


そういえば除霊に来ていたんだ。

忘れてた。


「そうだな、早くいくぞー」


歩き始める師匠。


「いや師匠、もう行かなくていいです」

「なんで?モブ君」

「だって、さっきAさんが倒したし」




え?


「嘘!?あれがその悪霊だったの!?」

「うん。だからもう帰りましょう、師匠」


だって最初モブ君、強めのが一体って言ってたよね?

それを、私が?



「お、おうそうだな。じゃあもう帰るか」


私は優しいので、さっき師匠が私の言葉に便乗してたのは言わないであげよう。


「あっ師匠!ちゃんとラーメンおごってくださいよ!?私、もうお母さんに連絡してますから!」

「分かってるよ。ちなみにチャーシューの追加は二枚までだからな。分かったか?モブ、A」

「分かりました、師匠」

「はいはーい、分っかりましたー」


そういってその廃屋を出たとき、空は薄暗くなり始めていた。

一番星を見つけたけどその星が師匠の顔に見えたので、チャーシュー五枚追加してやった。


その日の晩、腹こわした。




結果:人の金で食うラーメンは美味しい。焼き肉だとなお良い。

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