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「……敦君。落ち着くンだ。まだ、マフィアに捕まったかなんてわからない。焦る気持ちを抑えて行動しないと、分かるものも分からなくなっちゃうから」
叩く勢いで肩に手を置かれ、敦は少し落ち着く。すみません、と、俯く。
「えっと、しょんぼりしなくていいんだよ。あ、ナオミ」
「敦さん、お茶を入れましたわ」
「あ、ありがとうございます、ナオミさん」
敦はゆっくりとお茶を飲む。体に染み渡る感覚になり、頬が少し緩んだ。
「小僧。話は聞いたぞ。…焦るのはわからんくもない。が、あまり仕事に私情を挟むな」
「すみませんでした…。太宰さん、怒鳴ったりして、すみませんでした…。皆さんに迷惑ばかりかけて…」
「構わない。…私はもう少し探ってみるよ」
「ありがとうございます」
谷崎とナオミ、国木田は仕事に戻り、敦は落とした資料を拾っていく。太宰は再び、パソコンと向き合った。
「姉さん……」
敦はポツリと悲しそうに呟いたが、しっかりしないとダメだと喝を入れ、とりあえず仕事を始めた。
ー
『姉さん！』
「え……？」
誰かに呼ばれた。姉さん、と。Aはなぜか視界が歪んでいることが気になり、手を目元に近づける。涙が流れていた。理由はわからないが。
「姉さんって……私のこと…？」
「大丈夫かえ？」
「あ、えっと……紅葉、さん…？」
「もう昼時じゃから、腹を空かしていると思ってのう。
炊きたてのご飯に、焼き魚、お味噌汁、漬物。どれも美味しそうで、Aはわあっと声を上げる。
「机の上に置くが…立てるか？」
「は、はい。何とか…」
痛みを我慢し、椅子に座る。美味しそうな香りが鼻をくすぐり、お腹がぐぅと鳴った。
「やはり、減っておったか。私の手作りじゃ。食うとよい」
「いただきます！」
Aはもぐもぐとものすごい早さで食べていく。どんどん空になっていく食器を見て、尾崎は隣で微笑んでいた。とても嬉しそうである。
「……」
しかし、ふと、Aの手が止まる。
「…？どうしたのじゃ？」
「いつか、ここを出ないとダメなんですよね。その後どうしようって、急に不安になってきて…」
「…安心せい。私も鴎外殿も、今の其方を追い出すことはせん。さあ、冷める前に早う食え」
「！はい！」
にかっとAは笑う。初めて心から笑ったのを見たなと、尾崎は内心、喜んだ。
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arena(プロフ) - あかりさん» 無言参加失礼しました…。読んでいただいて光栄です！ありがとうございます！ (2018年1月29日 7時) (
レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！ すごい面白いです これからも頑張って下さい！ (2018年1月29日 2時) (レス) id: 59dc504c48 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ちゅうや大好きさん» ありがとうございます！ (2018年1月28日 13時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅうや大好き - すごく面白いです (2018年1月28日 12時) (レス) id: 2184bb70c3 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます。自分の作品の内容を忘れてしまう馬鹿ですが頑張ります！笑 (2018年1月22日 0時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：arena | 作成日時：2018年1月11日 21時
