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「見てたの?」
上から声をかけられて、思わずビクリと肩がはねた。
ゆっくり視線を向けると、特段いつもと変わらない彼女がそこにいる。だからボクも、特段いつもと変わらない様子を作る。
「ごめんね。でもこんなところでそういうことしてるほうが悪いと思うなー」
「彼から迫ってきたの」
「な〜に〜ラブラブじゃん。もーボクを巻き込まないでもらえるー?」
会話をしても心のもやもやはちっとも取れやしない。むしろ肥大化してる気がする。
ボクってこんなに繊細だったかなーなんでこんなに傷ついちゃってるんだろーって、どこか他人事に思考が巡った。そんなの、目の前の彼女を見れば明白な話なのに。
時計の針はそろそろ下校時刻を指す。
このまま時が止まってしまえばいいなんて、甘酸っぱいことはボクらにはない。そんな感情をいだけるほど、ボクらは綺麗な人間じゃなかったんだ。
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あきまる(プロフ) - ょむむむさん» コメントありがとうございます!このえななんは私も気に入ってます💕💕 (9月20日 20時) (レス) id: ed0e33f0ac (このIDを非表示/違反報告)
ょむむむ - えななんが最高にえななんらしくて好き!!かわいい💕更新頑張ってください! (9月20日 20時) (レス) id: 946b79f9ed (このIDを非表示/違反報告)
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