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「よ、久しぶり」
「…Aか」
「お前のAくんだよ♡」
「帰ってくれ」
「酷くね?」
相変わらずの無愛想。オレが口をとがらせると、青柳は目にシワを寄せる。あーはいはい嫌われてましたね。
「なに、調子どう?クラシックから逃げた青柳くん」
「お前は相変わらず人の尊厳を踏みにじるのが好きだな」
「やだなぁ。青柳くんだけだって」
相変わらずをお前も使うとか、わりとオレらなんも変わってないのね。
ちょいちょい青柳の髪を弄ると、その手をはたくから、ますますオレは上機嫌になってきた。笑みが深くなったのを見て「悪趣味だ」と軽蔑するように言い放つけど、それが悪趣味を加速させていることに早く気づいたほうがいい。
いや、いつまで経っても気づかねーからおもしれーんだけど。
「てかお前ってホント不思議な髪してるよな。これが地毛とか信じられねーわ。チン毛もこうなってんの?」
「話すことがないならもう行ってもいいか」
「あーごめんごめん。いやぁ言いたいことが一つあって」
「……なんだ」
鋭い視線を向ける青柳に、ホントまじで何も変わってねーんだなって。そっと口を開いた。
「お前の歌、悪くなかったよ」
「…!」
カッと目を見開く青柳にケラケラ笑いがあふれた。らしくもねーことを言った。どうやらオレは、こんな言葉もかけられる人間だったらしい。ただそれは、確かな本心だ。
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あきまる(プロフ) - ょむむむさん» コメントありがとうございます!このえななんは私も気に入ってます💕💕 (9月20日 20時) (レス) id: ed0e33f0ac (このIDを非表示/違反報告)
ょむむむ - えななんが最高にえななんらしくて好き!!かわいい💕更新頑張ってください! (9月20日 20時) (レス) id: 946b79f9ed (このIDを非表示/違反報告)
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