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私は司さんが好きなのに、彼の好意を受け取ることができない。あなたのような素敵な人が、こんな私を好きにならないでほしい。

そんなのただのエゴだ。だというのに、彼を巻き込んでしまった。重い感情も軽い感情も、感じた全ての思いがぐちゃぐちゃに混ざり合って、頭がおかしくなっている。

「いっそ嫌ってください。嫌われて当然です。私は」

言い終わらないうちにそっと頬に手を当てられて、司さんに引っ張られる。シトリンのような瞳が熱を帯びてこちらを向いていた。目をそらすことは許されない。

まるで映画のワンシーンのようだと思ったが、実際のところ逆だった。ここに観客はいないし、彼は今ステージの魔法が解けたただの人間だ。私たち二人にスポットライトが照らされるわけでもない。それでも、それでも彼は、まるで台本を読み上げるように美しいセリフを吐く。

「それでも、お前を愛している」

その輝きはあまりにも強く、ああやっぱりこの人は人間じゃないのかもしれない、なんて。

その言葉が脳に溶けていくまでさほど時間はかからず、溶けきった瞬間また涙が出た。

彼の腕に抱かれ伝わってくる体温と匂いに、また幸福がこぼれ落ちて、心が愛おしいと叫んでいる。

私も彼に抱かれることを許して、腕を背中に回す。すると抵抗されるどころかよりいっそうハグが強くなり、愛されている、と思う。

こんなことを許されてしまった私は、いっそこのまま消えてしまえばよかった。消えてしまいたかった。

ケーキの味を知らないまま/神代類→←Unfortunate Ikaros/天馬司



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あきまる(プロフ) - ょむむむさん» コメントありがとうございます!このえななんは私も気に入ってます💕💕 (9月20日 20時) (レス) id: ed0e33f0ac (このIDを非表示/違反報告)
ょむむむ - えななんが最高にえななんらしくて好き!!かわいい💕更新頑張ってください! (9月20日 20時) (レス) id: 946b79f9ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あきまる | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2023年8月18日 15時

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